2024年11月08日 1845号
【「基地反対運動は日当で雇われている」/あの島耕作が辺野古デマ】
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人気漫画「島耕作」シリーズの最新作が、沖縄辺野古の基地建設反対運動を中傷するデマを拡散したとして批判されている。
問題となったのは週刊『モーニング』10月17日発売号に掲載された『社外取締役 島耕作』。沖縄を訪れた主人公の島耕作に対し、地元住民と見られる女性が、辺野古の抗議活動について次のように説明する場面が描かれている。
いわく「抗議する側もアルバイトでやっている人がたくさんいますよ」「私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」。ネットを中心に広まった「反基地運動中傷デマ」の定番をそのまま描いたのだ。
反対運動参加者への日当支払いの話は、東京MXの情報番組「ニュース女子」をめぐる訴訟でも明確に否定されている。批判が殺到するのは当然で、作者の弘兼憲史と『モーニング』編集部は連名で謝罪文を発表し、単行本掲載時に内容を修正するとした。
なぜ、こうした場面が描かれたのか。謝罪文によれば、弘兼と担当編集者が沖縄現地を訪れ観光業を取材する過程で、複数の県民から「新基地建設反対派のアルバイトがある」という話を聞き、作品に反映させたのだという。デマの影響が沖縄の人びとにも及んでいるのは事実だろう。
だが、この釈明には納得できない。弘兼は防衛省の広報に協力する「広報アドバイザー」に就いているからだ。過去には安倍晋三元首相との対談で「私みたいな“基地歓迎派”の意見は無視されてしまいます」と語ったこともある。
弘兼は米海兵隊岩国基地がある山口県岩国市の出身で、「基地の街」で暮らす人びとの悲哀を描いた作品も残している。出世して権力者に同化するとは、まさに劇中の島耕作と同じではないか。 (O) |
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