2024年11月15日 1846号

【組合つぶしの雇い止めを許さない/毎朝の就労要求行動で闘う/なかまユニオン ラ・アケソニア分会】

 大阪・箕面(みのお)市にある医療法人神明会の介護老人保健施設ラ・アケソニアで働く職員がつくった「なかまユニオン ラ・アケソニア分会」。職員の不当配転事件をきっかけに2021年に結成され、就業規則改悪の阻止など労働環境の改善に成果を上げてきた。

 今年9月末で定年退職の分会代表が定年後の嘱託雇用の意思確認に雇用継続を希望したところ、神明会は人手不足の現状にもかかわらず継続しないと回答。明らかに組合つぶし攻撃だ。

 分会は団体交渉、月〜土の就労要求行動、2回にわたる地域デモなどで雇い止め抗議、雇用継続、職員増員を、と訴えている。渋谷国彦分会代表と組合員に声を寄せてもらった。

みんなで変える/渋谷国彦分会代表

 神明会では通常65歳定年後、継続雇用される中で、渋谷が雇用拒否されるのは、組合を排除することを目的としているからです。

 昨年来、介護職員・看護職員がデイケアでは7名、施設全体で40名以上がパワハラなどで退職に追い込まれ、人手不足にしたのは神明会理事長自身です。デイケアでは約30名の利用者に対して介護職員5名のみの日が生じて見守りもできないことがあり、入浴が午後に変更され、利用を断念する利用者が続出しました。介護職員を辞めさせず、職員のスキルアップを図り、良い介護を提供できる職場にしようと奮闘しました。

 分会は、組合排除や「上司を批判する職員はいらない」と退職誘導を行う施設長代理の解任を求め団体交渉を行いました。また、不払い残業代請求により働いた分は支払われるタイムカード打刻に基づく賃金計算を求めています。分会代表である渋谷の雇い止めはこの分会活動の排除を狙うものです。利用者の満足を第一にし、職員が働き続けられる職場にするために、雇い止めを撤回させデイケアへの就労を神明会に認めさせなければなりません。

 第2回デモは40名を超える地域の仲間の参加で多くの市民にアピールし、ビラの受け取りもよく説明を聞いていただきました。分会員2名が参加し、力強くシュプレヒコールしました。

 毎朝の就労要求と抗議は11月2日で21回行い、抗議はがきは職場から30名の協力を得て利用者自身が知り合いからも集めようとしています。多くの仲間が他人事ではないと思っています。

 アケソニアの問題は、神明会経営者のみの問題ではありません。国の介護費用負担の少なさ、介護報酬の削減、介護職員の低賃金による介護職員不足や利用者負担を増やす介護保険制度などの制度が根本原因です。多くの地域の仲間とともに利用者・家族も含めて、みんなで変えていこうとするエネルギーにこそアケソニア・神明会を変えていける展望があると思います。

 今後、雇い止め撤回・雇用を求める理事長宛てはがきを職場でさらに多く集め、就労要求行動を続けます。12月には第3回デモと交流会を実施します。また、不払い残業代請求裁判勝利により、働いた分は支払われる施設を目指します。ともに頑張りましょう!

思い届けと初めてデモ/松尾礼子組合員

 デモ行進のスタート前に、行進に参加してくださる皆様にご挨拶させてもらいました。「渋谷さんの雇い止め撤回!職員を増やせ!と毎日朝の挨拶で就労の意思を表明しています。そして、アケソニア分会は闘うぞ!がんばります!」

 デモ行進がスタートしました。私は車の助手席に座り、何をどうしていいか初めてのことで正直ビックリしました。一緒に乗った女性の「シュプレヒコール!」とデモ参加者に呼び掛けるとてもいい声が耳に響いてきました。最後まで「シュプレヒコール」と「雇い止め撤回しろ」「人手不足で困っているぞ」「神明会は職員の声を聞け」と市民の皆様に訴えられました。

 私もシュプレヒコールの勉強をしていつかは訴えることができたらいいなと思いました。助手席に座っていた私でしたが、いつの間にか歩いている市民の皆様に手を振っていました。私たちの思いが届け、とデモ行進も無事終了。とっても充実感が感じられて良かったと思いました。それに「朝の挨拶の意思表明がとっても良かった」と参加者の方に声を掛けていただきました。ありがとうございました。お疲れ様でした。



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