2024年11月15日 1846号

【IR・カジノ土地改良事業差し止め訴訟で初の意見陳述/先行2訴訟とともにカジノSTOP】

 11月1日、「夢洲(ゆめしま)カジノを止める大阪府民の会」の原告7人が提訴した「大阪IR・カジノ土地改良事業差し止め訴訟」の初めてとなる口頭弁論が大阪地裁で行われた。

 先行の「夢洲IR差し止め訴訟」、もう一つの「カジノ格安賃料差止訴訟」との共同訴訟となり、90人の傍聴席はいっぱいに。

 山川よしやす府民の会事務局長が原告を代表して10分間の陳述。▽大阪市による大阪IR株式会社(SPC)へのIR用地引き渡しと賃料発生の具体的事実の公表を求める▽裁判を通じてIR・カジノ誘致の是非を問う▽民主主義と主権、住民自治の問題だ―の3点を中心に、IR用地の土地課題対策工事に関する大阪市の支出が市民の利益を損ねていることを指摘した。

 最後に埋立地・夢洲の危険性に関して「有毒ガス発生、地震、液状化、津波など現実的課題が突きつけられている。しかし避難計画の策定と実施主体はSPCと定められ、大阪府市は住民の命に責任を負わない。IR・カジノ事業誘致と万博開催はまさに命の問題≠セ。司法がこれを深く認識し、公正な審理のもと判断されることを切に願う」。先行訴訟の原告とともに闘えることに感謝を述べ、法廷には拍手が鳴り響いた。

3訴訟をともに闘う

 口頭弁論では、「夢洲IR差し止め訴訟」弁護団から土地引き渡しに関する求釈明も行われた。

 「46万uの土地をすべて引き渡したのか」との問いに、被告は「すべて引き渡した」。「本件土地すべての賃料は428円×46万u=1億9899万9619円となるが、これと異なる場合は額と併せて理由を明らかにせよ。また1回目の賃料を受領する年月日を明らかにせよ」には「賃料額が確定するのは年度末で確定後に支払いとなる。詳細は書面で」と回答した。

 合同の報告集会には120人が集う。「大阪府市が次から次へとおかしなことをやってくれるから、裁判も増えていく」。司会のまとめに参加者の意気も上がる。3つの訴訟を一緒に闘っていく出発点となった。

 マスコミの注目が集まり始める中、次回口頭弁論期日は来年1月27日(月)11時、大阪地裁202号大法廷で行われる。

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