2024年11月22日 1847号
【1847号主張/石破新政権とトランプ勝利/国際連帯で戦争と軍事化阻止】
|
崖っぷちの石破新政権
11月11日、自民党・石破総裁が30年ぶりの首相指名選挙決選投票で第103代総理大臣に選出された。石破は得票数221票で過半数233票に届かず、国民民主党や日本維新の会などが自公にすり寄り無効票を投じることで、ようやく立憲民主党・野田代表の160票を上回った。
国民民主は選挙公約でも「打撃力(反撃力)の保持」「防衛費を増額」「防衛産業の育成・強化」を掲げる軍拡推進勢力だ。衆議院で少数与党に転落した自公との「部分連合」へと動き、改憲推進の補完勢力である維新とともに石破政権に延命に手を貸したのだ。
しかし、総選挙で現政権拒否の審判を下した市民は自公政治の継続など望んでいない。石破内閣支持率は34%と1か月で12ポイントも急落、不支持が47%に上昇した(11/2-11/3朝日)。その根底に生活を破壊された労働者・市民の怒りがある。
裏金腐敗政治の根絶、軍事費の削減、社会保障や教育の充実など命とくらしを守る運動の力で、少数与党の石破政権を追いつめよう。市民の生存権を取り戻し、戦争と新自由主義からの根本的な変革を切り開く時だ。
米民主党敗北も根底同じ
米大統領選挙では、共和党のトランプが民主党のハリスを破り、再び大統領に就任することになった。トランプ勝利の背景にある現政権の施策への怒りは、欧州、日本とも共通する。
民主党・バイデン政権は、経済格差拡大、インフレに苦しむ市民・労働者の生活改善政策を全く行わず、イスラエル軍事援助を続けた。社会主義者を公言するサンダース上院議員は、これを「労働者層を見捨てた民主党が労働者層に見捨てられた」と端的に表現した。
トランプは戦争を終わらせると豪語するが、実際行うのは、イスラエルへの一層の支持・軍事支援、富裕層・大企業優遇、移民排斥の悪政だ。市民・労働者の反撃が直ちに始まるだろう。
また中国との経済対立をかきたて、日韓台などの好戦勢力による東アジアの軍事緊張も引き続き続く。石破は月内にも訪米し、日米軍事同盟強化を狙う。
スピーキングツアーへ
いま沖縄から九州、全国に戦争準備の動きが加速している。この危険な動きを止める展望は、現地の粘り強い闘いと国際連帯にある。
「ZENKOスピーキングツアー」が11月23日〜12月1日、全国9都市で開かれる。与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島、奄美大島、馬毛島、大分から、基地建設やミサイル・弾薬庫配備、大軍事演習に反対し沖縄・全国を戦場にさせない闘いを発信する。ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)運動は、日米韓台市民の国際連帯を広げている。戦争と軍事化を止め、東アジアに平和を築く闘いを強めよう。
(11月11日) |
|