2024年11月22日 1847号

【万博子ども引率の労災防げ/なかまユニオン大阪市学校教職員支部が団交】

 万博会場夢洲(ゆめしま)の危険性はますます明らかになっています。児童生徒を行かせるべきでないのは前提として、そこへの引率業務は、教職員にとって過重労働であり、労働災害の危険もあります。私たち、なかまユニオン大阪市学校教職員支部は、勤務・労働条件にかかわる問題として要求書を提出し、11月5日、大阪市教育委員会と団体交渉を持ちました。

 要求項目は3点。(1)市教委としての労災防止対策を組合に表明・説明すること(2)府教委と万博協会に危険な環境要因への対策明示を求めること(3)万博協会が現在以上の有効な対策を公表できなかった場合は、学校行事参加のための事務執行を中止すること―です。

 7月8月の有害ガス濃度の測定結果によれば、8月にメタンガス爆発が起こったGWエリアの東トイレや西トイレの地下ピットで連日、基準値以上の有害ガスが計測され、一酸化炭素では計測器の測定範囲500ppmを超える数値となっていることを問題にしました。

 一酸化炭素500ppmというのは、45分間で頭痛・目まい・吐き気・けいれんが表れ、2時間で失神という濃度です。また、ガス抜き管のガス濃度測定では、メタンも含めて計測器の測定範囲を超えるガス濃度がGWエリア全域から検知されていること、東トイレ、西トイレだけの対策で済ませられるものではないことを指摘しました。

 市教委は「この測定結果は、万博協会が6月に発表した会期中の安全対策がまだ実施されていないからではないか。実施されれば改善するのではないか」との認識を示しましたが、万博協会に確認したわけではありません。万博協会の秘密主義により市教委も確認できないのです。この秘密主義を突破し、夢洲万博の危険性を広く周知していきたいと思います。

 10月2日、吹田市議会で「万博子ども招待事業のあり方見直しを求める意見書」が、大阪維新の会の議員も賛成して採択されました。また、私たちの団交と同じ11月5日には、「教育的意義のある安全な『万博招待事業』を求める請願書」が大阪府議会で全会一致で採択されています。不安や疑問について誰もが問い合わせできる窓口の設置も請願項目に含まれています。

 夢洲の危険性を広く伝える契機となる団交にできたと思います。

(なかまユニオン大阪市学校教職員支部・松田幹雄)

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