2024年11月22日 1847号
【政府は犠牲者の遺骨収容に動け/「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が記者会見】
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11月6日、国会内で「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の記者会見が開かれた。記者会見には井上洋子共同代表のほか、福島みずほ参院議員、大椿ゆうこ参院議員も同席した。
戦時中の1942年2月3日、山口県宇部市の長生炭鉱で発生した水没事故(水非常)で186人(うち朝鮮人136人)が生き埋めになった。今も遺骨は坑内に眠ったままだ。「刻む会」は長年、調査活動と追悼事業を続け、遺族とともに遺骨の発掘と返還を市や国に働きかけてきたが、行政は動かなかった。
「刻む会」はクラウドファンディングで資金を集め、自力で坑口を開けることを決意。目標額を大きく超える寄付が寄せられ、事業者や潜水ダイバーなどの協力を得て、ついに9月25日、坑口を掘り当てることに成功した。開口後初めての国会での記者会見とあって、多くの報道機関が参加した。
井上代表は「坑口が開いて、水がどっと流れ出るのを目撃し、あの奥に遺骨があるんだと実感した。10月26日には韓国の遺族14人、在日の遺族2人、日本人遺族4人が参加し、慰霊祭を現地で行った。安全対策をし、来年1月31日から2月2日に本格的な潜水調査を行う。遺骨の一片でも収容したい」と報告した。
会見に先立ち、厚生労働省人道調査室との情報交換会も行われた。人道調査室は朝鮮人の遺骨調査に年間1千万円の予算を持つ。前日に福岡資麿厚労相が「国の実地調査の範囲を超えている」と否定的な考えを示したが、坑口が開けられた今、できない理由はない。
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