2024年11月22日 1847号

【イスラエル軍事企業と関係を切れ 協力企業に抗議/ZENKOが首都圏要請行動】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は11月6日、ガザ虐殺に加担する企業、米・イスラエル大使館に対して抗議・要請行動を展開した。

 関西各地をはじめ長野、静岡などからSNSを見て駆けつけた人も含め、市民40数人が参加した。

 NEC、三菱重工業など13社にイスラエル軍需産業との協力関係の撤回を要求する。全員が皮切りとして東京駅丸の内口で行動。「東芝はF35戦闘機レーダー電子機器開発に参入するな」「三菱UFJ銀行はイスラエル企業から資本撤退」など企業名とその協力内容を描いた多数のバナーを掲げ、「フリーフリーガザ」とシュプレヒコール。

 急ぐ歩みを止めて見つめる人、待ち合わせの人はスマートフォンから目を離す。憲法9条を持つ日本で、誰もが知る大企業がガザ虐殺に加担し、軍需で儲けようとしている実態を多くの人にアピールした。

 A・B・C3グループに分かれ、Aの村田製作所は、ドローンシステムを開発するイスラエルのXTENDと協業を進める。そのシステムはイスラエル軍が実戦で使用済み。イスラエル軍事企業IAI、エルビットシステムズと軍用ドローンを共同開発する可能性があるSUBARUだ。ニデックは、空飛ぶ車と呼ばれる電力垂直離着陸航空機(eVTOL)を開発するイスラエル企業AIR VEVとモーターを共同開発。この会社は米国空軍と関係する。

 すべて対応を拒否された。各社のイスラエル軍需産業との関係を記した要請書の配布を行い、軍需産業からの撤退を求めて会社前で抗議活動を展開した。

 警察の警備が厳しく直接要請はできなかったが、アメリカ、イスラエルの大使館に向けて「今すぐ停戦」「パレスチナ解放」などのコールをぶつけた。

 イスラエルにF35戦闘機の部品などを供給するイギリスのBAEシステムズとイタリアのレオナルドの両軍事企業にも抗議行動。両社は日本政府中枢近くに位置する。

 最後は議員会館前に集結。大椿ゆうこ参院議員、土屋のりこ足立区議から連帯のアピールが述べられた。


虐殺加担企業ノー/滋賀

 滋賀県大津市でも11月7日、30人が「イスラエルは虐殺やめろ!ガザへの攻撃即時中止・命を救え!集会&デモ」。11・6ZENKOイスラエル協力企業抗議 首都圏要請行動の報告もあり、デモでは「子どもを殺して金儲けする企業はいらん」とアピールした。


三菱関係企業に抗議/人殺し加担はさせない

 Bグループは三菱UFJ銀行、MUFG(三菱UFJフィナンシャルグループ)、三菱電機、三菱重工、IHIの5社を回った。訪問先の三菱関係企業はすべて東京駅丸の内口周辺に集まっており、その巨大な社屋に圧倒された。

 UFJとMUFGでは要請人数を制限され、3人での要請だったが「要請書は受け取れない」と言うためだけに4人もの社員が対応に出てきたとのこと。私を含む残りの10人は社前で宣伝。私はできるだけ目立つようにパレスチナ国旗を手にチラシ配布をした。

 三菱電機、三菱重工、IHIの3社は警備員が要請書を受け取るだけ。IHIは建物に入ることすら拒否され外での対応だった。三菱の警備員は2社とも「次はどこの会社に行かれますか」と同じことを言ってきた。偶然とは思えず、それほど警戒しているのか、連絡をとっているのか。

 以前滋賀で要請に行った三菱重工とIHIの子会社にも言ったことだが、私たちの税金を人殺し加担に使うのは許されない。 (ZENKO滋賀 峯本敦子)


イスラエルとの取り引きをやめる決断を

 Cグループの9人は川崎重工、東芝、NECの3社への要請行動に取り組んだ。防衛部門の売上高ランキングでは、川崎重工3位、NEC4位、東芝8位だ。私は、NECや東芝が上位を占めているのに驚いた。

 川崎重工には(1)IAI製ドローンの輸入代理店契約を破棄すること(2)BAEシステムズ、レオナルド社との次期戦闘機の共同開発をやめることを要請。東芝、NECには、次期戦闘機のレーダーなどの電子機器開発事業から撤退することを求めた。

 川崎重工、東芝は事前に約束はとれていなかったが、当日、玄関の中に入り、受付に要請書を受け取らせた。NECは総務の人が玄関前で迎えた。そこで要請書を読み上げ、参加者一人一人が思いを会社にぶつけ、要請書を渡した。私は、政府がイスラエルに対し経済制裁してなくても、NECは公平という規範をうたっているのだからガザで虐殺しているイスラエルとの取り引きをやめる決断を自主的に行うべきだ、と訴えた。(ZENKO河内・山崎一典)

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