2024年11月29日 1848号

【1848号主張/民意とかけ離れた石破内閣/軍拡でなく命とくらしへ】

民意無視内閣に未来なし

 11月11日、第2次石破内閣が発足した。先の総選挙で裏金金権の自公政治に市民が怒りの審判を突きつけたが、国民民主、維新などが延命に手を貸し、ようやく政権維持となったものだ。石破首相は就任記者会見で「政治とカネ」問題を長く語るも、裏金再調査や根本的解決への方策はなく、市民が苦しむ物価高・生活破壊への対策も示さなかった。

 時事通信の世論調査(11/8〜11/11)では石破内閣の支持率は28・7%。「政権維持の危険水域」とされる2割台のままだ。市民は自公政治継続ではなく、根本的転換を求めている。金権腐敗温存、グローバル資本と戦争のための政策に固執する石破内閣に未来はない。

軍事同盟強化を加速

 石破は就任会見で、第一の優先課題を「我が国の安全保障環境への対応」とし、中国、ロシア、朝鮮の脅威をあおり改めて「防衛力の抜本的な強化」をうたった。

 すでに衆院選最中から過去最大の日米共同統合演習「キーンソード25」を展開。11月12日、中谷防衛大臣は会見で「首相から防衛力の抜本的強化、防衛生産・技術基盤の強化などの指示があった」と強調し、日米同盟強化、全国130棟弾薬庫建設など軍事化推進を表明した。さらに13日、政権が発足するやただちに名護新基地建設加速に向け辺野古崎に土砂投入を強行した。「辺野古移転はすぐにやらなければならない」と手を貸す国民民主も利用し、一気に進めることを狙う。しかし、軟弱地盤工事の見通しはたっていない。米下院軍事委員会の共和党議員が建設を疑問視するほどだ。

 外遊に乗り出した石破は、15日、日米韓首脳共同声明を発表、初めて日米韓調整事務局を設立し「防衛協力覚書」に署名した。17日には日米豪三国が「防衛協議体」新設に合意など、軍事同盟強化を急速に進める。

 この戦争・軍拡=増税路線と市民生活破壊は一体だ。市民の軍事化ノーの声をいっそう強め、突きつけていかなければならない。

戦争とめ 平和築く連帯

 軍事化を止める鍵は、平和をめざす市民どうしの国際連帯を広げ、軍拡ではなく対話と平和を求める声を大きくしていくことだ。

 世界ではパレスチナ・ウクライナ即時停戦を求める行動や自国の軍拡阻止の闘いがやむことなく繰り広げられている。沖縄・琉球弧をはじめ全国で基地建設と軍事要塞化の阻止へ粘り強い闘いが続いている。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、11月23日の北海道集会を皮切りに12月1日まで、軍事化を止めるスピーキングツアーを全国9都市で開催する。現地の闘いの発信に地域から連帯し、石破政権による戦争推進と軍拡をとめ、命とくらしが大切にされる社会をともにつくっていこう。

   (11月19日)
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