2024年12月06日 1849号
【みるよむ(714)/2024年11月23日配信/イラク・クルド地域への/トルコの軍事攻撃】
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イラク北部のクルド地域(クルディスタン)では、PKK(クルディスタン労働者党)との軍事対立を口実にしたトルコ軍による攻撃が続いている。多数の住民が被害を受け、避難を余儀なくされている。2024年10月、サナテレビはこの問題を取り上げた。
イラク・クルディスタンと隣接するトルコは、長年にわたってトルコ、イラク、イランに居住するクルド民族への支配と弾圧を続け、PKKなどとの軍事紛争を引き起こしてきた。
トルコはNATO(北大西洋条約機構)の加盟国であり、圧倒的な軍事力でクルド人居住地域を攻撃している。その範囲はトルコ領内に限らず、PKKが入り込んでいるという名目で、イラク・クルディスタンにも攻撃を広げている。
トルコは、パレスチナ問題でイスラエルに批判的な態度をとることもあるが、トルコ軍は、イラクとの国境を50kmも超えて侵攻することもあり、住民に爆弾を落とし続けている。パレスチナを攻撃し続けるイスラエルと大きな違いはない。
この背景には、グローバル資本の利権獲得への欲求がある。中東の大国として、トルコは周辺国と資源獲得を争っている。周辺国や欧米、日本もこんなふるまいを見て見ぬふりだ。
クルド弾圧で利害一致
イラク政府もクルディスタン地域政府も、トルコの軍事介入に対して「効果が全くない」抗議書を出す程度で、まともな抗議声明さえない。少数民族のクルド人を支配し弾圧する上で、トルコ政府と利害が一致する面があるからだ。
命を奪われ、住み家を追われて難民となっているのはこの地域の住民だ。グローバル資本の利害と権力争いの犠牲となっているのだ。
サナテレビは、イラク政府に対し、こうした紛争を軍事力ではなく交渉によって政治的に解決することを要求している。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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