2024年12月06日 1849号

【戦争をとめる 平和をつくる/2024スピーキングツアー スタート】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が主催する2024スピーキングツアーが11月23日、北海道集会を皮切りにスタート。「戦争をとめよう!つながり平和をつくろう!」を全国9都市に展開する。

東京集会 軍民混在では平和はつくれない 石垣島 米韓台の闘いに連帯

 東京集会は24日、北区で開催。ゲストスピーカーの「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」藤井幸子さんは、島の軍事化のいまを語り「全国がつながり戦争準備をとめよう」と訴えた。アメリカ、韓国、台湾からは連帯メッセージが届いた。

 各地域では「戦争をとめる、平和をつくる」運動が活発に行われている。

 ZENKO北部は陸上自衛隊十条駐屯地フィールドワークに参加。都営住宅が駐屯地に隣接し、全国の自衛隊は武器弾薬、衣服などをここで調達している。報告者の藤平輝明さんは、北区の軍都の歴史を語り「軍民分離ではない軍民混在」と現在まで続く危険性を強調。

 練馬駐屯地は陸自第1師団司令部がある首都圏「防衛」の重要拠点だ。練馬区在住の田中克治さんは、歴史を学ぶため練馬の平和運動に携わってきた93歳の方を語り部≠ノ招いた集会を開催。「重要土地規制法にのみ込まれない運動を続けていく」と述べた。

 小池都知事のシェルター建造計画を受けて、「逆に都民の命を危険にさらすことになる」と荒川区の高瀬幸子さんが警鐘を鳴らす。、荒川区長選の運動も報告。

 関東のZENKOは、戦争準備に反対する反基地交流会を毎月行っている。12月1日大分の大規模集会に代表を送る。相模原・座間米軍基地フィールドワーク、ガザ虐殺に加担する三菱重工への抗議行動なども紹介。「市民の命は考慮されているのか。軍民混在では平和は守れない」と投げかけた。

 ZENKO千葉は沖縄戦遺骨収集『骨を掘る男』上映会、三多摩の佐藤周平さんは「羽場久美子さん講演会」に参加を呼びかけた。山内若菜さん展覧会アピール、ZENKO青年らによる、ガザを描いた『ぼくたちは見た』上映会とガザ写真展盛況の報告と続いた。

 集会終了後、日暮里駅前でウクライナ・ガザ即時停戦を訴えた。




北海道集会 今も出土する遺骨 「日本軍」化した自衛隊は「専守防衛」に戻れと具志堅さん

 北海道集会は23日開催され、会場とオンラインで67人が参加した。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんが「沖縄・日本を再び戦場にしないために」と題して報告した。

 沖縄戦戦没者の遺骨は今なお出土し続ける。「これが骨盤部分の骨です」などの丁寧な説明とともに画面に示される映像を会場参加者が食い入るように見つめる。戦没者への敬意を込めた具志堅さんの語り口は、政府への批判になるとボルテージが上がる。「『戦没者へ哀悼の誠を捧げる』と口先では言いながら、一方で遺骨土砂を辺野古新基地建設工事現場の埋め立てに使う岸田前首相には沖縄に来てほしくないと抗議した」

 遺骨とともに多く出土するのが手榴弾(しゅりゅうだん)だ。使用前と使用後の違いも丁寧に解説する具志堅さん。多くの一般市民も手榴弾を握らされ戦争動員された事実を示す。

 「自衛隊は現在、先制攻撃軍としての形を整えてきている。沖縄・日本を戦場にするなと訴えることは自衛隊を『専守防衛』に戻し自衛隊員の命を守るためにも必要なことだ」と具志堅さんは言う。少数与党となった衆院で「全国の沖縄化」を食い止めるため、野党が一致できる要求を作り出したいとの思いもにじむ。

 今回、初めて札幌市以外の江別市を会場とした。江別市民は「具志堅さんの話はいつ聞いても心を打たれます」と話し会場を後にした。スピーキングツアーには初めての参加者も3人いて、今後の広がりへの手応えもつかめた集会となった。



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