2024年12月13日 1850号
【OPEN〈平和と平等を拓く女たちの絆〉/国連女性差別撤廃委員会 日本政府に是正勧告/ジェンダー平等を国際基準で】
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国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は10月17日、日本政府に対する審査を行った。この審査は、女性差別撤廃条約に照らして、日本政府がどこまで政策を実行しているかを検証するもの。10月29日、それを踏まえ最終見解を発表した。
その中で最も重要な「フォローアップ項目」として次の4項目をあげた。
(1)女性が結婚後も旧姓を保持できるよう、夫婦の姓の選択について法改正を行うこと
(2)人工妊娠中絶に必要とされている配偶者の同意要件を削除する法改正を行うこと
(3)16〜17歳の少女が避妊薬を使用するときに、親の同意を必要とする要件をなくすこと。
(4)女性が国会議員に立候補する時の300万円の供託金を引き下げること
以上の勧告については、政府の取り組みを2年以内に報告するよう求められている。
これ以外にも、女性の貧困、賃金のジェンダー格差、政治分野での女性議員の割合の低さ、職場の管理職に占める女性の割合の低さなども指摘された。日本政府が、女性差別撤廃条約の選択議定書の批准を「検討中」として遅らせていることも批判された。
今回は、米軍関係者による女性への性暴力について、委員会として初めて取り上げられ、加害者の捜査、処罰を適切に行い被害者に十分な補償を行うこととの勧告も出された。
これらの勧告が出された背景に、国内外でのジェンダー平等を求める運動があった。日本政府のジェンダー平等政策の遅れを改め、国際水準に押し上げるたたかいを粘り強く推し進めていこう。
政策実現のチャンス
国連勧告を早期に実現することを政府に求めたい。これからの国会では、ジェンダー平等政策についても前進させることのできるチャンスが生まれている。とりわけ、選択的夫婦別姓に反対する議員が多く落選し、賛成する国会議員は衆議院では65%になった。参議院の53%も合わせ、法改正に必要な要件に達している。
さらに選択議定書の批准、包括的差別禁止法、国内人権機関の設立など、国会での論議が進むよう市民の運動を強めたい。
(OPEN[平和と平等を拓く女たちの絆]代表 大阪府茨木市議・山本よし子)
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