2024年12月13日 1850号

【2024ZENKOスピーキングツアー】

いつでも始められる戦争準備 闘わなければ平和はこない 宮古島から広島集会

 11月28日、「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」共同代表の清水早子さんをメインゲストに迎えて広島集会が開催され、オンライン含め62人が参加した。

 清水さんは「宮古島からいつでも始められる戦争準備」と題して報告した。

 宮古島では、2019年の陸上自衛隊新基地開設、翌年のミサイル部隊配備以降、急速に軍事要塞化が進み、現在2千人近い自衛隊員とその家族が駐屯しており、今年度中には電子戦部隊が追加配備される。また、日米共同訓練が常態化し、戦争準備が具体化されている。負傷した隊員の輸送は、いったん自衛隊那覇病院に集めてから全国の病院に分散輸送する計画。明らかに「戦場は沖縄島以南である」ことを物語っており、公民館には住民用の「遺体収容袋」が搬入されている。

 さらに怖いのは、基地のある地域の成人祝いの集合写真に旧海軍の「旭日旗」が写っていたことや、航海の安全と大漁を祈願する伝統行事ハーリー船競漕(きょうそう)への自衛隊員の参加の動き、陸自ヘリコプター墜落事故で亡くなった第8師団幹部等の「慰霊碑」(「黒鷹の勇士」と刻銘)を住民の祈りの場「御嶽(ウタキ)」のそばに設置するなど、住民の生活領域、文化伝統、人びとの内面にまで入り込むソフトな支配が広がっていることだ。

 闘いとらなければ平和はやってこない。少人数でも意思表示することが大切だと考え行動している、と清水さんは強調した。

 広島からは、廿日市(はつかいち)市において自衛隊への個人情報提供に除外申請制度を導入させた取り組みや、イスラエル協力企業である三菱重工広島製作所への抗議要請行動を報告。最後に、ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)第二次署名やガザ即時停戦を求める署名、日鉄呉跡地の平和利用を求める署名などに取り組むことを参加者で確認した。




要塞化の中 希望のタネを育てたい 与那国島から 大阪狭山市集会

 大阪狭山市集会は11月30日開催。沖縄・与那国島からおきなわ住民自治研究所・山田和幸さんのズーム講演に参加者が聴き入った。

 「米軍と自衛隊に囲われてしまった島」与那国から、いかに「希望のタネ」を育てていくかという問題意識に貫かれ、『与那国島の要塞化と希望のタネ』と題して山田さんが語ると、地方差別政策の問題をはじめ活発な質問があった。

 「(自衛隊増強を招いた)糸数現町長を支持している人は町民の何%くらいなのか」。山田さんは「2021年の町長選挙(保守がきわめて強く有権者は1300人)では、従来20〜40票差が常であったところ122票と大きく開いた。当時200ほどの自衛隊関係者の票もあるのでは。支持者の中には『時間が戻るなら(町長に)入れなかった』という人もいる」。

 「糸数さんは、05年に出た島の再生プランである『自立へのビジョン〜自立・自治・共生〜アジアと結ぶ国境の島』作成時の農業者代表だった。立場は違うが、台湾との交流を通した自立というのは彼も目指しているところ。役場の職員不足があると聞く。基地を誘致することで人口を増やすのは、もう失敗している。向こうも困っているのではないかと思う」と答えた。

 質疑を通じて、有事≠ノ備えて住民を島外に移動させる国策がすでに始まっているのではと思える与那国島の厳しい状況が共有された。同時に、台湾・花蓮市との子どもたちの交流など「希望のタネ」が感じ取れる講演となった。

 ZENKO南大阪からは、松原市民の沖縄連帯などスタンディングアピールやイスラエル協力企業本社への要請東京行動の報告が続く。「何より絶対戦争をさせない」と強調する小芝ひでとし大阪狭山市議は、幼稚園統合廃園問題の取り組み報告も行った。



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