2024年12月13日 1850号

【原発賠償京都訴訟 6・17最高裁判決を覆す決意固めた判決前集会 12・18控訴審判決期日へ原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会 上野益徳】

 11月24日の「控訴審(大阪高裁)判決前集会」には会場65人、ZOOMで20人の参加がありました。

 第1部では、まず京都訴訟弁護団が因果関係論・責任論・損害論についてどういう点に力点をおいて主張・立証してきたかを報告。

 そのあと、「だまっちゃおれん 原発事故人権侵害訴訟 愛知岐阜」の田巻紘子弁護士が「6・17最高裁判決を乗り越えるために」と題して講演。6・17第2小法廷判決以降8つの高裁判決が出たが、いわき市民訴訟は上告棄却となり、だまっちゃおれんを含む3訴訟が第1小法廷への係属が決定、残る4訴訟は上告手続き中と現状を報告。関係する訴訟団は、6・17判決を変更させるため第1小法廷で上告受理申し立てを受理させ、大法廷へ回付されることを当座の目標にしている。最高裁は、原判決を見直す場合のみ期日が開かれるので、被害の実態、救済の必要性を知らせ、世論の力で動かす必要がある。そのために最高裁への要請行動や今年6月17 日に最高裁を包囲した共同行動が重要だ―と訴えました。

 第2部のジャーナリスト後藤秀典さんの講演では、東京電力の代理人が所属する巨大法律事務所の弁護士を国が最高裁判事に送り込み、その巨大法律事務所が退官する最高裁判事の再就職先となる関係ができていて、司法が歪められている実態が明らかにされました。だまっちゃおれん訴訟の東電代理人はTMI総合法律事務所の弁護士が務めているが、最高裁第1小法廷にはそのTMI出身の宮川美津子判事がおり、9月に退官した深山卓也判事はTMIに再就職(顧問に就任)という癒着ぶりです。田巻弁護士は「宮川判事は自ら身を引け」と求めているが、最終的には裁判官忌避も考えていると発言しました。

 原告9人が登壇し、それぞれの思いや決意を表明。

 全体で、司法の現状は放置できないこと、京都訴訟が最高裁判決のコピペではない高裁判決をかちとる意味を確認できた集会でした。

 控訴審判決は12月18日。9時半から開廷前集会(裁判所南向かいの西天満若松浜公園)、判決後に裁判所一周パレードもやります。



MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS