2024年12月20日 1851号

【基地のある街で何が起きている?/沖縄だけじゃない米兵の性暴力/連帯の集いと学びのマルシェ/横浜・桜木町】

 被害者はいつも、基地や軍隊と関係のない普通に暮らす市民。いつでも誰でも被害者になり得る私たちこそ、学び、考え、声を上げていかなければ。そんな想いを込めたイベントが12月1日、横浜・桜木町駅前広場で開かれた。

 「沖縄に連帯する集いと小さな学びのマルシェ」は、21のブースに基地・軍隊・性暴力をはじめ憲法、沖縄、パレスチナ、家父長制、いじめなど幅広い社会問題をテーマにさまざまな団体・個人が出展し、資料の提供や本の紹介、対話と学びの場を作り出した。

 1200人が参加した6月23日の「戦争いらない!NO WAR!」パレードの成功を受け、沖縄に次いで米軍基地の多い神奈川でも沖縄と同じ問題が起きていることを広く一般の市民に伝えようという企画だ。実行委員会はパレードを担った県内各地の市民で構成され、沖縄連帯・戦争NO!の市民の共同をさらに大きく広げようと9月から準備を始めた。

 当事者が自身の体験を語り、聞く者がそれを自分事と捉える。中でも、20年以上前に横須賀で米兵にレイプされ、以来一貫して「被害をなくすには日米地位協定を改定すべき」と訴え続けているオーストラリア出身のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんの発言は大きな衝撃となった。

12・22市民パレードへ

 「平和と民主主義をともにつくる会・かながわ」も、みなとみらいキャラバンでのイスラエル支援企業抗議行動と横浜ノースドック・ウォッチング活動の展示に取り組んだ。集い実行委員でもある同会の青島正晴さんは「若者や女性の参加が多かった。県内の豊かな運動が集まった」と手応えを語り、12月22日に同じ場所で行う改憲反対をテーマにした市民パレードへの結集を呼びかけている。

 同会の神谷宗孝さんも指摘する。「横須賀出身の大学生が『子どもの頃から米兵やその家族と普通に接していた。彼らは横須賀では“良き隣人”。しかし、米兵の犯罪はあり、だんだんと“良き隣人”ではないことに気づいた』と発言していた。急速に進む軍事化の動きに対し、真っ先に犠牲にされる女性たちが中心になって異議申し立てしたことは意義深い」。そして、「人を殺すことを許され、それを名誉とする軍隊という集団が日常の中にいる。その違和感や危機感をもっとリアルに感じ、市民から平和的生存権を奪おうとする動きにあらゆる形で異議申し立てしていかなくては」と決意を新たにしている。







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