2024年12月27日 1852号
【議会を変える、市民と変える/直営学童保育がいま大変なことに/京都府向日市議 杉谷伸夫】
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今年最後の向日(むこう)市議会定例会で大きな話題となったことの1つは、学童保育です。
向日市は早くから、市内6か所にある小学校内に学童保育(留守家庭児童会)を設置してきました。現在でも、学童保育は9割が市の直営です。10年ほど前から6年生まで受け入れを拡大し、厳しい入所審査は行わず、利用希望者は全員受け入れてきました。
ところが今年、市は5、6年生について、夏休み入会を停止、来年度からは年度当初から受け入れ停止すると通知しました。入会者が想定を超えて激増し、教室も指導員も不足して対応困難というのです。保護者の間に衝撃が走りました。そして今議会に保護者会の方々から、5、6年生の受け入れの早期再開などを求める請願が行われました。特に夏休み期間中は、朝から夜まで長時間一人ぼっちの環境は高学年でも大変、との声は同感です。
学童保育利用急増のペースを聞いて驚きました。この3年間で利用者が約600人から約900人と約1・5倍になっているのです。夏休みだけの入会もあり、100人以上が利用しています。子育て世代の共働きが標準となる一方、地域に子どもが過ごせる場所や環境が無くなってきていることなどが背景でしょう。
議会への請願は、内容は理解できるが実施は困難とする「趣旨採択」になりそうです。行政も、長期休み中の公共施設の活用を検討することになりました。
私も、放課後等の児童の“過ごし場"の確保は重要だと主張してきましたが、やはり必要な児童には体制が整備された学童保育を提供できるようにすべきです。指導員等の確保が厳しいと言われていますが、原因ははっきりしています。指導員と週20時間未満勤務の支援員がいますが、全員が正規職員でなく会計年度任用職員で、仕事の責任に比して待遇が低すぎるのです。学童保育に予算をかければ良いのですが、本来は国全体の施策として予算をつけないといけない問題です。
そんな時、本紙1850号2面「政府予算における教育予算と軍事費の推移」のグラフを見て、改めて怒りが湧きました。自治体は、予算が無いと四苦八苦しているのに、国は教育予算を減らし続け、軍事費と逆転し、今やその半分しかない! このグラフも学童保育の直面する問題の根源を示しています。次の議会で活用したいと思います。 |
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