2024年12月27日 1852号
【軍民分離のまちづくりへ/平和への権利、住民自治の確立を/無防備地域を考えるワークショップ】
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日本が軍事大国化の道を進むなか、ジュネーブ条約に基づく無防備地域=戦争不参加宣言について改めて考えるワークショップが12月15日、都内で開かれた。
基調講演は大阪経済法科大学名誉教授の澤野義一(よしかず)さん。無防備地域宣言運動の今日的意義として「従来に増して地域の軍事化が進行し、沖縄・南西諸島での自衛隊と一体となった避難誘導訓練など軍民分離に反する事象が強まっている。これに対抗する手段となる」ことなどを挙げた。
東京造形大学名誉教授の前田朗さんは「国際法や地域協定で非武装地帯を設定し、守られている事例がいくつもある。2016年、国連総会で『平和への権利宣言』が採択された。『殺すことも殺されることもない権利』の概念を憲法解釈に取り入れ、思想・哲学・倫理学あるいは平和運動の現場の課題として設定すべきだ」と提唱した。
2006年に無防備平和条例案が東京・国立市議会で審議された際、市長として賛成意見書を提出した上原公子(ひろこ)さん。「今年6月、国が自治体に対する指示権を持ち、自治体の自己決定権に食い込んでいく地方自治法“改正”が成立した」と前置きし、「ジュネーブ条約第1追加議定書は使える。『予防措置』として、軍事施設は人口が集中する地域から立ち退かせなくてはならない。国立の条例案は、攻撃できない軍民分離のまちづくりをする条例だった」と振り返った。
北海道苫小牧市「非核・平和都市条例」を考える会の斉藤けい子さんは、同条例を生かした地道な運動が平和に関心のなかった市長に「平和が大事」と言わせるまでになったと報告。前沖縄県石垣市長の大M長照さんは「市議会が市自治基本条例の住民投票条項を削除する暴挙に出た。日頃からの政治に対する取り組みが重要」、平和憲法を守る八重山連絡協議会の藤井幸子さんは「島の未来を決めるのは主権者である私たち一人ひとり。私たちの無防備地域宣言は島を戦場にさせないことだ」と話した。
司会の立教大学専任講師・浜恵介さんが「きょうの報告が北海道と沖縄という“辺境”からだったことは偶然ではない。今後この取り組みをどう深めるか、みなさんで論議する場をつくりたい」とまとめた。
参加者から「地方自治の重要性を痛感した」「希望の湧くお話。地域で頑張る意味を再確認できた」などの感想が寄せられている。
米兵の少女暴行事件判決で緊急アクション
米兵による少女誘拐暴行事件の那覇地裁判決を受け、「外務省は沖縄の主権を尊重しろ」「隠蔽するな」「被害者を守れ」「地位協定を抜本改正しろ」と声を上げる。(12月13日 東京・外務省前)
滋賀でも沖縄と心ひとつに
同日、滋賀県大津市でも、辺野古新基地建設ストップ滋賀の会とZENKO滋賀がアクション。24人が「性暴力は許さない」「沖縄・世界を戦場にしない」とスタンディングや歌でアピールした。(膳所〈ぜぜ〉駅前広場)
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