2025年01月03日 1853号

【1853号主張/2025年 即時停戦 石破政権倒す/民主主義的社会主義を切り拓こう】

揺らぐ資本の支配

 2024年は先進資本主義諸国の政権が軒並み敗北した。欧州ではイギリス政権交代(7月)、ドイツ連立政権崩壊(11月)、フランス内閣総辞職(12月)、米国では大統領・連邦議会選挙で民主党敗北(11月)、東アジアでも日本の総選挙で自公過半数割れ(10月)、韓国大統領の弾劾訴追(12月)など、支配層が追い詰められている。

 背景には、戦争と貧困・格差拡大による社会の不安定化がある。コロナパンデミックや急激なインフレに市民が苦しむ一方、富裕層・大企業は大規模金融緩和や便乗値上げで資産・利益を激増させている。

 20年以降、世界で最も裕福な5人の資産は8690億ドル(約127兆円)に倍増し、巨大企業148社の平均利益も1・8兆ドル(約263兆円)と1・5倍増となった(英国NGOオックスファム)。

 その上、各国政府は、ウクライナ戦争やパレスチナのジェノサイドに加担し、自国市民には軍事費の負担増を強いている。支配層は市民の猛烈な怒りを呼び覚まし、自ら支持基盤を掘り崩しているのだ。

 日本も例外ではない。自公を敗北させた「裏金」批判の根底に、生活苦と貧困があり、不平等や私物化政治への激しい憤りがある。

命と暮らし優先の政治へ

 衆議院で少数与党に追い込まれた石破政権は、国民民主、維新ら改憲・軍拡推進野党を取り込み、野党共闘の分断を画策しながら、グローバル資本のための政策遂行を貫こうとしている。

 イスラエル製ドローン購入、ウクライナ戦費支援などでジェノサイドと戦争への加担を継続。琉球弧・全国への長射程ミサイル配備、基地強化と大軍拡を強行し、所得税引き上げなど「防衛」増税を表明した。原発事故や能登震災の被害者を切り捨て、エネルギー基本計画原案で改めて原発推進を打ち出した。物価高対策の消費税減税には背を向け、高齢者の医療費窓口負担3割の対象拡大を検討している。

 悪政連合を許さず、市民の力で共闘を再生・強化し、命と暮らし優先の政治を実現しなければならない。

展望は民主主義的社会主義

 欧米でも日本でも、困窮と閉塞感が社会をおおう中、「既得権益」「旧勢力」打破を掲げる極右や「改革保守」勢力が一定の支持を集めているが、彼らに戦争と貧困をつくり出す元凶グローバル資本への批判はない。展望は、グローバル資本主義と対決し、平等と社会の根本的変革を求める民主主義的社会主義にこそある。

 25年は即時停戦、大軍拡・増税阻止、生活改善の運動を地域でいっそう広げ、共闘強化で自治体選挙、参議院選挙に勝利し自公・石破政権を退陣させよう。米国、韓国で立ち上がる若者をはじめ世界の市民と連帯して社会を変えよう。MDSに結集し民主主義的社会主義を切り拓こう。

 (12月21日)
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