2025年01月03日 1853号
【イラクの革命的変革をめざす/CFC(自由と変革のための会議)の宣言】
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2024ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)in大阪(7/27〜7/28)で、イラク労働者共産党サミール・アディルさんが結成の動きを伝えたイラクのCFC(自由と変革のための会議)。そのCFCが11月29日、バグダッドで、10月蜂起、平等を求める運動、フェミニスト、クルディスタンの抗議運動、労働者、失業者、環境の擁護者などさまざまな運動の指導者、活動家らを結集し、第1回会議を開催した。採択した「宣言」の要旨を紹介する。結成されたCFCは国際的支援と連帯を訴えている。
破壊されたイラク社会
数十年にわたる経済封鎖、戦争、占領、テロ、さらに反動的な民族主義、宗教民兵勢力の力と活動で、大衆の命、生活、サービス、基本的権利は壊滅と破壊へと追いやられてきた。イラクの労働者と勤労大衆の生活は、あらゆるレベルで犠牲となっている。イラク社会は、民間のサービス、娯楽、安全、自由な生活の確立、および社会を統治する政治システムを決定する大衆の意志を回復することを切実に必要としている。
アメリカのイラク戦争と占領は、この社会の経済基盤と市民生活の基盤を破壊しただけでなく、最も反動的で残虐な民族主義およびイスラム主義勢力を社会に押しつけた。同時に、これらの権力を通じて、中東近隣地域の反動的国家は自由にイラクへの介入を行い、社会の悲劇的状況をさらに深化させた。クルディスタンでも分断が進み、クルド資本家階級の下、飢餓と生活破壊が引き起こされた。
飢餓、貧困、サービス不足、そして日常生活の最も基本的な必需品の欠如を含む、イラク社会のこの状況を終わらせることは不可欠である。労働者階級と勤労大衆がまともな生活の必需品を手に入れるための出口はもはや残されていない。性差別と反動主義は女性を悲劇的な状況へと追いやり、若者の希望と願望は抑圧され、自由は、大衆運動の活動家の広範な暗殺に及ぶ全面的な攻撃にさらされた。
現状からの解放へ
社会を現状から解放する唯一の効果的な方法は、民族主義およびイスラム主義勢力・政党の権力を終わらせ、政治の場における反動的シナリオを阻止し、大衆の直接的な意思に基づく新しい権力システムを確立することである。この新しいシステムは、大衆の福祉、サービス、自由、個人および市民の権利を確保するものでなければならない。
過去数年にわたり、イラクには新しい極(ポール)≠ェ出現した。それはイスラム主義勢力や民族主義勢力の役割や行為、地域諸国の干渉すべてに対抗している。それは労働者階級、失業者、勤労大衆、女性、若者の抗議運動によって代表され、広範で包括的な大衆運動として台頭している。
この運動が革命的な旗印のもとで、進歩的かつ解放的な政治的視点に基づいて組織化されれば、現在の反動的で不正な民族主義および宗教勢力と権力を追放し、現状を終わらせ、大衆の緊急の要求と希望を実現することができる。
革命的変革への代替案
この役割を果たすことができる代替案は、大衆の革命的な能力に基づく進歩的で革命的な勢力であり、パン、自由、平等を求め現場の大衆運動を組織し、指導する枠組みである。
この会議は、大衆運動のすべての要求を実現し、反動的権力を追放し、イラク民衆の権利を保証し、政府システムを変革するために闘う民主的な政教分離の組織である。この会議は、労働者や女性、若者を、そしてさまざまな評議会、労働組合などを、組織することを目指している。
(要求は次の通り)
▽すべての人びとに生計の機会を確保するために、雇用機会を提供する。社会保障を通じて貧困や困窮から救うために、富を大衆の管理下で公平に再分配する。
▽人びとに必要かつ基本的なサービスを提供する。
▽すべてのイスラム民兵、民族主義民兵を解散させる。
▽略奪された社会の富を没収・回収し、サービスの復興、大衆の福祉の確保、労働者らへの未払い賃金や給与の支払いに充てる。
▽地域諸国や世界の反動的な干渉と、すべての秘密の関係や外交を終わらせる。
▽宗教と国家、教育を分離する。
▽個人、市民の権利で女性と男性の完全な平等を実現し、それに反するすべての法律を廃止し、禁止する。
▽性別、宗教、国籍、民族に関係なく、すべての市民の平等を確保する。
▽信仰、思想、出版、集会、ストライキ、政党・組織の設立に関する無条件の自由を保障する。すべての政治犯を釈放する。
▽死刑を廃止する。
▽政府体制の選択について、6か月以内に大衆の意見を問うためのすべての要件を整備し、準備する。
▽クルディスタンの運命について、現状維持か、独立国家設立かを、住民全体の意見に基づいて決定する。
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