2025年01月03日 1853号
【原発事故は国の責任 公正な審理開始を 訴訟団などが連続最高裁闘争】
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原発をめぐる最高裁闘争に取り組む諸団体が連続して要請行動を展開している。
12月16日、上告中の損害賠償愛知・岐阜訴訟やかながわ訴訟、千葉訴訟、東京訴訟の原告・支援者らが最高裁西門前に集合し、原発事故での国の責任認定、最高裁第1小法廷での審理開始を訴えた。
18日には、「避難者の住宅追い出しを許さない会」が呼びかけて、第2小法廷に要請。避難当事者が「避難が長引き住宅政策は長期間必要。最高裁は、現在の災害救助法を原発被害にそって改正するなり、新たな立法措置対応を指摘してほしい」「福島県とは継続入居の契約を結んでないのに、なぜ県から訴えられるのか納得いかない」などと訴えた。弁護団からは「災害救助法では救えない法の欠缺(けんけつ 本来あるべき要件が欠けていること)状態には、上位法に当たる国際人権法を適用して具体的に対応すべきでは」と要請した。
続く19日、福島原発刑事訴訟支援団が第10回最高裁行動を実施し、「東京電力と密接な関係のある最高裁・草野耕一裁判官に審理回避求める」署名1万4004筆(累計)を第2小法廷に提出した。終了後の集会には100人以上が参加。島崎邦彦さん(元原子力規制委員会委員長代理、元日本地震学会会長)が講演し、「能登半島地震時に、もし志賀原発が運転中だったら大変だった。地震国日本は原発を停止・廃炉にすべきだが、(規制委員会・石渡明委員の後任となった山岡耕春委員は)僕と真逆の人物で国は反対の方向を向いている。洋上風力発電で全国のエネルギーの相当量をまかなえるのに、なぜしないのだ」と警鐘を鳴らした。
最高裁共同行動実行委が京都訴訟不当判決に抗議
原発・公害などにかかわる20の運動団体で11月に結成した「617最高裁共同行動2025」実行委員会は、12月18日の原発損害賠償京都訴訟の大阪高裁不当判決に抗議する声明を21日に発した。以下は抜粋。
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大阪高裁(牧賢二裁判長)は、1審京都地裁判決を覆し、原発事故の国の責任を免罪する不当判決を出しました。避難生活がいまだに続く中で福島原発事故はもう終わったかのように原因・責任追及に蓋をする判決は、生存権・人権を徹底して守るべき司法の役割を放棄した恥ずべき行為です。
これで2022年6月17日の最高裁不当判決以降、1・2審での14の訴訟は、すべて国に責任なしの判決となりました。最高裁判決文の半分を占めた三浦守判事による真っ当で公正な意見は全く無視され、論理性を欠いた“責任なし”の結論だけを引用して事足れりとする「コピペ判決」に、裁判官の思考停止を危惧せざるを得ません。最高裁を頂点とする司法への不安・不信は募るばかりです。
私たち実行委員会は三浦判事の意見が最高裁の見識ある判決として結実されるよう、今後の最高裁闘争をともに闘っていく決意です。
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