2025年01月03日 1853号

【京都訴訟控訴審不当判決 またも思考停止の「国に責任なし」 国のあり方変える闘いへ】

 12月18日、大阪高裁で原発賠償京都訴訟の控訴審判決が言い渡された。国の責任については、一審(京都地裁)判決を覆し、6・17最高裁不当判決の結論部分をコピペした粗雑な理由で国を免罪した。また、一審判決が避難の相当性を認める条件とした避難開始期限「2012年4月1日まで」を中間指針追補の対象期間に合わせて「2011年12月31日」に短縮し、2012年1月以降の避難の相当性を認定せず、家庭の事情で悩みぬいた末に避難を決意した世帯を無情にも切り捨てた。

 牧賢二裁判長が退場しようとした時、傍聴席から「コピペ判決やないか」「司法の独立はどこに行った」と非難の声が上がった。

 この後、原告を先頭に、福島、千葉、東京、神奈川、広島などからの応援も含め約170人が裁判所1周パレードで怒りをぶつけた。

 記者会見では、弁護団とともに18人の原告が並び、思いや上告の決意を語った。

 ある原告は「聞いてる振りして『ふざけんな!』と思った」と牧裁判長を批判し、「でも負けない。『今に見てろ』と思っている」。他の原告も「私たちの証拠をちゃんと読めば、あんな判決は書けないはず。裁判だけではない。国のあり方が問われている」「この司法を正す使命が私たちにはある。絶対に諦めない」「中学生の息子でも『なに? それ』と言う判決だ。母親として諦めない姿を見せたい」と覚悟を述べた。避難当時小学生だった女性は「これまで私の代わりに原告のみなさんが頑張ってくれた。最高裁には私も頑張って参加したい」と決意を語った。

 最後に京都原告団を支援する会が「やれることをすべてやってきた。だが、終わらない」と今後の方針を述べ、12月24日、大阪高裁前での牧裁判長らへの抗議行動参加を呼びかけた。



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