2025年01月17日 1854号

【みるよむ(718)2024年12月21日配信/辺野古新基地建設を止めよう/北上田毅さんが阻止への展望を語る】

 昨年11月26日、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)スピーキングツアー京都会場では、北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)が講演。辺野古新基地建設をめぐり、大浦湾の地盤改良工事の状況と阻止の展望を報告した。

 毎日、土砂搬入のダンプトラックを阻止するための座り込み闘争を排除し、政府・防衛省は、「順調」に埋め立てを進めているかのように見える。しかし今、ボーリング試験のための調査船2隻が大浦湾に来ていることには重大な意味がある。玉城デニー知事が辺野古埋め立ての設計変更申請を不承認にした理由は、海面下90mまでの軟弱地盤問題だった。防衛省は、その地点のボーリング試験をせず、離れた3か所からの類推だけで軟弱地盤はないとして埋め立てを進めてきた。

 だが、実際には地盤強度が分からないと工事にならず、ボーリング試験を始めざるを得なくなった。調査結果を明らかにさせれば、矛盾はいっそう深まる。さらに、日本では深度65mまでの地盤改良の経験しかない。すでに工事期間は大幅に遅れ、辺野古新基地完成のめどなどないのだ。

 辺野古には巨大地震の危険性もある。2022年3月、政府の地震調査委員会は「南西諸島でマグニチュード8級の恐れ」と発表。辺野古の設計は中小地震を対象にしたものだが、大規模地震のレベルにしなければならないことは明らかだ。

軟弱地盤工事は進まない

 12月28日、沖縄防衛局は大浦湾予定海域の軟弱地盤工事「着手」と言ったが、うまく進む保証などない。

 北上田さんは、埋め立て承認の再撤回を提起する。辺野古新基地はそもそも建設が無理であり、阻止する展望が明確にある。そして「1人でも多くの方が現地に結集していただくことをお願いしたい」と訴えた。

 この声に応え、全国で支援と連帯を広げ、新基地建設をストップさせよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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