2025年01月24日 1855号
【子どもの命を守れ 万博招待事業を中止に/3・23夢洲あぶない やめてんかカジノ・万博 パレードに集まろう】
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大阪・関西万博の開幕が4月13日に迫る中、中止を求める声は止まらない。山川よしやすさん(夢洲(ゆめしま)カジノを止める大阪府民の会・事務局長)に語ってもらった。(まとめは編集部)
汚染と有毒ガスの夢洲
夢洲は一般・産業廃棄物や浚渫(しゅんせつ)土砂などで埋め立てられた人工島です。現在もメタンガスだけでなく一酸化炭素・硫化水素・アンモニアなど有毒ガスが発生し、PCBやフッ素・ヒ素・クロム・ダイオキシン・セシウムなど毒物が検出されています。大阪市が万博協会と結んだ契約書には、土壌汚染対策法の遵守(じゅんしゅ)と飛散防止等の措置が定められ、その土壌を「いかなる理由があっても夢洲1区から搬出してはならない」と厳重管理することが定められています。
しかし大阪市は、夢洲が「立ち入り禁止区域」であることさえ知らせていません。昨年3月28日にメタンガス爆発火災事故が発生しましたが、現在も根本的な対策は取られていません。子どもたちの安全と健康被害が心配です。
違法だらけの夢洲カジノ
危険な夢洲で万博を強行するのは、その後にIR・カジノを誘致するためです。背景にグローバル企業やゼネコンの利権が絡んでいます。大阪市が費用を負担するカジノ用地の土地課題対策工事では、競争入札さえ行わずカジノ事業者に丸投げです。最近、一般的な公共工事契約よりも工事費が高額となる取り決めを交わしていたことや、大阪市がIR誘致を考慮外にして土地鑑定を行い、安価に見積もるよう積極的に関与したことが明らかになりました。
大阪市は、IR・カジノ事業者に違法に安い値段で土地を貸し、便宜を図っていたのです。昨年12月16日には、松井元大阪市長らを相手どって1044億円の損害賠償請求訴訟が提起され、現在4つの事件が共同訴訟として争われています。
子どもを守れの声広がる
万博のチケット販売は低調です。前売り目標1400万枚に対し、販売数は740万枚(うち企業購入分700万枚)。赤字問題が浮上する中、財界と大阪府は1970年大阪万博の収益基金の約半分、95億円を取り崩し、企業負担分の軽減を進めようとしています。
このような中で、税金を使い自治体負担で「万博子ども招待事業」が進められています。しかし「事前に見学パビリオンも決められず、下見もできない」という現実に、安全の保障もできないと不安の声が広がり、地方議会で意見書が採択されています。昨年6月、貝塚市議会で「被災地復興を最優先 児童・生徒招待事業を中止も含め再検討」の文言が入った「万博の開催の不安要素を払拭(ふっしょく)することを求める意見書」に続き、吹田市・摂津市・池田市議会でも同様の趣旨を持つ意見書が可決され、大阪府議会でも請願書が全会一致で採択。交野(かたの)市・熊取町では、万博遠足への不参加が表明されました。
府民の運動の力が、危険な夢洲の現実を突きつけ、「子ども招待事業」を社会的な問題に押し上げることで維新会派に正面から反対できなくさせているのです。
署名・裁判にご支援を
「万博子ども招待事業」は仮に事故が発生した場合、自治体・行政の責任は回避され学校や保護者の責任となります。危険な夢洲に子どもたちを動員することなど許されません。行きたくない子ども、行かせたくない保護者も多くいます。「子どもを危険な万博に招待しないで」署名にご協力ください。また各自治体議会で、引き続き「意見書」の採択を進めましょう。
1月27日(月)と3月19日(水)には、「大阪IR・カジノ土地改良事業差止め訴訟」を含む共同訴訟の口頭弁論が行われます(11時・大阪地裁202号法廷)。傍聴と訴訟支援カンパにもご協力ください。
万博・カジノを止めて被災地支援≠フ大きな世論を作ることが必要です。万博開幕直前の3月23日(日)、3000人を目標に「夢洲あぶない やめてんかカジノ・万博
パレード(13時 大阪市うつぼ公園)」を実行委員会で呼びかけています。
夢洲は危険=\これはかくせない現実です。また子どもの命を守れ≠フ運動は普遍的な意味があります。主権者は私たち市民。命を守る政治をみんなの力で取り戻すことは可能です。
訴訟支援カンパは、「支援する会」の以下の口座へお振り込みください。
・ゆうちょ銀行…記号14100/番号9987631/イマイ ハルミ
・他行から…ゆうちょ銀行金融コード9900/店名四一八(ヨンイチハチ)/店番418/口座番号0998763
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