2025年01月24日 1855号

【みるよむ(719)/2024年12月28日配信/沖縄県与那国島のミサイル基地・軍事要塞化に反対する】

 11月30日、ZENKOスピーキングツアー大阪狭山市集会では山田和幸さん(おきなわ住民自治研究所)がオンラインで講演した。

 山田さんは「この小さな島は、軍事的な施設、組織によってほとんど囲われてしまった」と述べる。

 島の南西部に20ヘクタールほどの自衛隊駐屯地本部があり、島の4か所にレーダーサイトが設置されている。北西部の空港は500m延長し2500mにするつもりだ。自衛隊や米軍の大型軍用機の使用を狙う。

 南部の、生物多様性で世界的にも著名な樽前(たるまい)湿地では、内陸に大きな港を作ろうとしている。完成すれば自衛隊の最大級の護衛艦=空母も使用できる。

 自衛隊は戦車(機動戦闘車)を公道で走らせ、事前予告もなく子どもたちの下校時間に学校周辺を通過させた。昨年のキーンソード演習では陸上自衛隊のオスプレイが墜落。その時の貴重な映像も紹介される。

 基地増強が優先される一方で、保育園の保育士の住居が確保されず人手不足となり、13人もの待機児童が出ている。特別養護老人ホームは閉鎖された。

 「台湾有事」に九州などに全員避難させる「全島民避難計画」が発表された。「強制ではない」と言いつつ、島に残っても、電気もガソリンも供給が止まる。

未来に希望をつなぐ

 「保守的」な困難な状況の中でも、山田さんたちは日米統合演習には抗議のスタンディングに立ち、「住民避難計画」説明会では防衛省などを追及している。子どもたちを戦争賛美に誘導する育鵬社社会科教科書の採択を終了させた。

 さらに台湾・花蓮市の市民・子どもと互いに訪問しあい交流を深めている。隣人との交流を進めることは、日本政府の戦争政策を許さないための土台となり、未来への希望を作りだす。

 この与那国島の闘いに連帯しよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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