2025年02月21日 1859号

【1859号主張/トランプのガザ占領暴言/日本政府の加担NOへ いま行動を】

国際法違反の暴言

 2月4日、米トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。会見でトランプは「アメリカはガザ地区を引き継ぎ、ガザ地区を所有する」「がれきを撤去し経済開発を行う」と述べ、ガザ地区住民は域外への移住を望んでいるとした。ネタニヤフの思惑に応え、ガザを占領し住民を強制移住させる暴言だ。

 ネタニヤフは「注目に値するアイデア」と支持を表明。トランプはさらに6日、ネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)職員への制裁を可能とする大統領令を発した。

 トランプ発言は、パレスチナの抹消、民族浄化そのものだ。停戦合意の破壊につながり、国際法を乱暴に踏みにじる。国連のグテーレス事務総長は「いかなる形態の民族浄化にも反対する」と警告した。

 世界の市民はただちに抗議し撤回を求めている。現地で非暴力の闘いを続けるPPSF(パレスチナ人民闘争戦線)は「パレスチナ人の運命は操作できない。自己決定権と自らの土地に独立国家を樹立する権利がある」と宣言し、世界の民衆に米大使館前などでの抗議行動を呼びかけた。

日本政府の沈黙は共犯

 日本政府は、独仏政府すら反対を表明する中でトランプの暴言を黙認し、実質的共犯関係に立っている。

 7日の日米首脳会談で石破首相はトランプ発言に一切触れず、追認した。林官房長官も岩屋外相も「注視し推移を見極める」と言うのみ。日本政府は、米国のICC制裁に反対する79か国の声明への参加を拒んだ。

 この沈黙によるトランプ暴言擁護の背後に日米の戦争路線がある。日米共同声明(2/7)では「日本の防衛力の抜本的強化を評価」とし、軍事緊張を高めるさらなる大軍拡を明記。2025年度軍拡予算案では、ジェノサイドに使われているイスラエル製軍事ドローンが有力候補の攻撃用無人機も計上した。虐殺への加担は断じて許されない。

 パレスチナはもちろん、世界の平和構築のために、こうした戦争推進勢力を封じ込めなければならない。

連帯し行動するとき

 緊急に必要なのは、パレスチナ民衆と連帯し、停戦合意完全履行から恒久停戦と占領終結、イスラエルへの軍事援助・支援の停止を求め行動することだ。英ストップ戦争連合は2月15日、イラク反戦規模をめざし全国大行進を呼びかけている。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は16日、PPSF(メッセージ)や米国・韓国・台湾・沖縄を結んで国際オンラインパネルを開く。また、世界のBDS(ボイコット・投資引き揚げ・制裁)運動とともに、19日首都圏行動をはじめ各地でイスラエル協力企業・政府への抗議要請を行う。いま行動に立ち上がるときだ。

(2月9日)
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