2025年02月21日 1859号

【ZENKOユース平和参加団in沖縄/ガマや遺骨収集現場を訪れ 工事進む辺野古で座り込む】

 2月8〜10日、「ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)ユース平和参加団in沖縄」は中学生を含む10〜30代中心の若者メンバー6人で、沖縄戦跡、辺野古新基地建設現場などを訪れた。田中拓真共同代表から速報が寄せられた。

 1日目は平和ガイドの松永光雄さんの案内で南部戦跡をまわり、沖縄戦の実相に触れました。

 ヌヌマチガマは当時、第24師団第一野戦病院の新城(あらぐすく)分院として千人以上の傷病兵を収容。「白梅学徒隊」の生徒も動員されました。ガマの中で懐中電灯を消すと自分の身体さえも見えません。「真っ暗闇で良かった。見えていたら気が狂ってしまう」との証言が当時の壮絶さを物語っています。

 遺骨収集現場も訪れ、現場には採掘された瓶などが置かれ、天井は火炎放射器で焼かれた跡があります。手に持った手榴弾はずっしりと重かったです。NPOプロジェクトおきなわでは7カ所ほどで遺骨収集を行い、遺骨や遺留品を遺族に返す活動をしています。

 2日目は、読谷村(よみたんそん)の彫刻家、金城実さんのアトリエに。大阪から移設された「解放へのオガリ」像は圧倒的な迫力でした。「恨之碑」は朝鮮半島から強制動員され、犠牲になった朝鮮人軍夫ら悲惨な歴史と力強さを表しています。

 また、大浦湾ではグラスボートに乗り、豊かな自然を体感。白化したサンゴも強い生命力で回復していました。しかし、辺野古新基地建設への地盤改良で7万本もの砂杭を打つため海上には巨大な5隻のサンドコンパクション船が停泊しています。1年前の参加団で見た景色から大きく変貌し、急速に進んでいる工事の状況を目の当たりしました。

ゲート前で共に抗議

 3日目は米軍キャンプ・シュワブゲート前での、9時、12時の座り込み行動に参加しました。テント村から約1`離れた場所に工事用車両ゲートが新たにつくられ、参加者は車で移動せざるを得ない状況です。

 地元県民のほか韓国・済州(チェジュ)からの支援者もおり、ともに座り込んでいると、ミキサー車10数台が道路に連なってきます。すると沖縄県警の機動隊が座り込み参加者を容赦なく排除し、歩道に隔離します。最初の車両がゲートに入った後も規制をやめず、次から次に車両が入っていきます。30分以上規制が続き、約120台の車両が入構。この日は名護市安和(あわ)・本部町塩川、うるま市宮城島でも土砂搬出が行われており、これでも少ない方とのことです。

 ZENKO参加団もゲート前集会で「辺野古新基地建設、全国の軍事化を止め、国際連帯で東アジアの平和をつくる取り組みを行っている」と発言し、現地の闘いとの連帯を深めました。

 今回、沖縄で学んだことを周りの人々に広げていくことで、地域から対話により平和をつくる取り組みを進めていきたいと思います。



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