2025年02月28日 1860号

【強制動員の責任をとれ/戦犯企業に解決迫る丸の内行動】

 2月14日、強制動員問題の解決を被告企業に迫る、今年2回目の「丸の内行動」が取り組まれた。

 三菱商事前では、日韓フォーラムの金性済(キムソンジェ)さんが「日韓の青少年の歴史交流事業で、岐阜の地下軍需工場跡を案内した。明かりを消し、地下壕を誰が掘らされて命を落としたのか、犠牲者に思いを馳せた。この地下工場は、名古屋大空襲で三菱重工が移転するために作られた。その責任をどう考えているのか。廃墟にしておくのではなく、追悼碑を建てるべきだ」と訴えた。

 日本製鉄本社前では、主催者が「李春植(イチュンシク)さんが1月27日に亡くなった。李春植さんは、2002年3月に包括的解決を目指して、釜石製鐵所の元徴用工を代表し本社での交渉に参加した。しかし、いまだに謝罪も補償も実現していない」と怒りのアピール。

 今回の行動には、広島県呉市の「日鉄呉跡地問題を考える会」共同代表の西岡由紀夫さんからも連帯メッセージが寄せられた。日本製鉄は呉製鉄所を廃止した上、それを防衛省に売り払おうとしている。呉海軍工廠(こうしょう)だったその場所は戦後に平和利用のため、製鉄所となった。その歴史を否定し、巨大な軍事基地が建設されようとしている。西岡さんは「日鉄は強制動員被害者や地域住民と誠実に向き合うべきだ」と求めている。

 三菱重工本社前では、「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」の市場淳子さんが「三菱重工は朝鮮半島から青年労働者や少女を強制動員し、日本がアジア太平洋戦争で使用する武器を作らせた。今また、三菱重工は兵器生産で儲け、同じことをしようとしている」と厳しく批判した。

 約30人が行動し、大学教員と学生も参加するなど、新たな広がりも作り出した。



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