2025年03月07日 1861号

【1861号主張/ガザ停戦合意 完全履行を/恒久停戦実現 入植・占領の終結へ】

占領下の攻撃やめよ

 イスラエルはハマスとの停戦合意後もパレスチナ人の殺害、家屋破壊など暴虐の限りをつくしている。

 ヨルダン川西岸では軍隊、ブルドーザーを投入して複数の難民キャンプを破壊。ジェニン難民キャンプではほぼ全員の1万7千人を追い出した。市民への暴力で今年に入り70人以上が殺害されている。ガザでも266回の停戦違反を犯し、少なくとも132人を殺害した。プレハブ住宅、テント、がれき撤去用重機の搬入も妨害している。

 イスラエル軍が新たな戦争計画を準備していたことも暴かれた。トランプ米大統領によるさまざまな暴言と圧力を含めこうした合意破壊策動や国際法違反を許さず、3月2日からの停戦合意第2段階で、イスラエル軍完全撤退と恒久停戦を実現しなければならない。

民族浄化に国際的批判

 米国がガザ地区を所有し住民を移住させるというトランプ発言に、ネタニヤフ首相は「これまでと違うガザ地区をつくる計画に尽力する」と支持を表明した。民族浄化続行の宣言であり、国連をはじめ独仏などの各国政府すら公然と批判した。

 イスラエルと米国は国際的批判の高まりを恐れている。それは戦争犯罪でネタニヤフらに逮捕状を発行したICC(国際刑事裁判所)への脅しにも表れている。イスラエル国会は市民や公的機関のICCへの協力を禁止する法案を承認し、米国は大統領令でICCカーン主任検事の資産を凍結した。批判が噴出し、この大統領令に対して英仏独を含む79か国・地域が非難する共同声明を発表した。

 ところが、石破首相は、トランプ発言を批判せず国連憲章・国際法違反の認識も示さず、黙認した。ICC制裁への非難声明にも加わらない。民族浄化に加担し、国際法を踏みにじる態度であり断じて許されない。

市民の行動で占領終結へ

 欧米では、法令で禁止されたり弾圧を受ける中でもBDS(ボイコット・投資引き揚げ・制裁)運動、大学でのテント闘争などが続く。日本でも、政府・企業の虐殺加担を止める行動を一層強めることが必要だ。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、2月16日の国際オンラインパネルでパレスチナ人民闘争戦線(PPSF)の連帯メッセージを受け、19日を中心に、外務省・防衛省・厚生労働省、首都圏のイスラエル支援企業、イスラエル大使館、米大使館・領事館に対する抗議要請行動に取り組んだ。

 パレスチナBDS全国委員会は3月21〜30日のイスラエルアパルトヘイト週間の行動を呼びかける。パレスチナ・世界の民衆と連帯し、BDS運動を広げよう。停戦合意の破壊を許さず完全履行させ、恒久停戦、占領終結、帰還の権利実現に前進しよう。

(2月23日)
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS