2025年05月02日 1869号
【「ノーモア尼崎事故!」20周年集会開催/リニア、安全問題、ローカル線問う】
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4月12日、「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る集会」が今年も開催され、50人が集まった。例年は事故現場に近い兵庫県尼崎市内で行われるが、2005年のJR尼崎事故から20年となる今回は国労大阪会館に場所を移して行われた。
リニア中央新幹線問題の取材を長年続けるフリージャーナリスト樫田秀樹さんが「住民の同意なきリニア計画」と題して記念講演。「工事現場近くでの気泡の湧出、水源の減渇水、地盤沈下など、2024年はリニア反対住民団体が懸念してきたすべてが現実となった象徴的な年だった」。工事は品川〜名古屋の全区間で大幅に遅れており、現時点で名古屋開業は「2034年以降」(JR東海公式発表)。建設費の財源もまったく足りず「今世紀前半の開業も難しい」。樫田さんは「事業主体のJR東海、沿線自治体、リニア問題を報じなかったメディアの責任が大きい」と批判した。
JR西日本の現場からは、有田修さん(国労近畿地本)、藤原浩二さん(国労大阪)の2人。出勤後の準備時間短縮や検査項目の削減など安全軽視が進んでいる実態が報告された。
民営化後入社の労働者のほとんどが試験制度によって競争させられている。職場から余裕がなくなる中で国労の組織拡大の事例もあるという。
安全問題研究会の地脇聖孝代表の報告は「ローカル線問題の現状と全国鉄道再建への具体策」。リニア同様、北海道新幹線も工事が行き詰まる一方、生活路線の維持に動こうとしない地元自治体の姿勢を批判。JR北海道の再国有化案やJR各社の持株会社制移行など複数の解決策を示した。
節目の年 前進の報告も
今年は、JAL123便墜落事故から40年、JAL不当解雇からも15年の節目だ。JAL争議団は「物言う労働者が年長者から順に解雇された。経験の少ない客室乗務員に権限が与えられていないことも、2024年の羽田事故で乗客避難に手間取った原因」だと指摘。一方で「JHU(JAL被解雇者労働組合)に現役労働者が加入し、安全問題など社内のことも労使交渉できるようになった」。全日建連帯労組関西生コン支部弾圧の京都事件無罪判決と併せ、うれしい報告が続いたのも今年の特徴だ。
20年の節目とあってか、中野勇人さん(元国労北見闘争団)、蓑田浩司さん(元国労熊本闘争団)の2人も久しぶりに元気な姿を見せた。


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