2025年05月09日 1870号
(実発行日 5月2日)
【1870号主張/現地と結び国際連帯で戦争止める/ZENKOスピーキングツアーへ】
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グローバル資本の危機
トランプ政権による高関税政策は、グローバル資本主義が自ら築いた新自由主義貿易体制の矛盾を浮き彫りにした。目的は、米国グローバル資本の利益と製造業労働者向けのアピールだが、IT産業資本家や投資家からは拒絶され株価・国債・為替が急落。部分修正を余儀なくされた。
とはいえ高関税は日本の自動車産業などに深刻な影響を及ぼす。トランプ関税で関連労働者5万4千人の雇用が失われる試算もある。
石破政権は、日本のグローバル資本の利益を最優先し、農産物輸入拡大や在日米軍駐留経費増額要求など「取引」に応じる構えだ。だが、本来必要なのは、際限のない輸出競争ではなく、国内需要と雇用に重点を置く経済構造への転換だ。労働者や中小零細企業、農業者に犠牲転嫁させてはならず、さらなる軍事費増など絶対に許してはならない。
戦争準備の避難計画
石破は、対米交渉をも材料に、軍拡と戦争準備をいっそう加速させている。
3月27日、沖縄の戦場化を想定した新たな「住民避難計画」が公表された。宮古や石垣など先島諸島5市町村の住民ら約12万人を九州・山口各県に避難させる計画だ。大規模な避難訓練を実施し、市民を戦争動員体制に巻き込む。「避難」は部隊を輸送した船舶の復路を利用するという。だが、部隊輸送の船舶は戦時の攻撃対象になる。避難先とされる九州でも弾薬庫増設、地対艦ミサイル配備など軍事化が進む。ひとたび戦争となれば、沖縄・西日本から日本全土が戦場となることは避けられない。
80年前の沖縄戦直前、学童疎開船「対馬丸」が撃沈され1500人が犠牲となった。当時、沖縄守備軍の長(ちょう)参謀長は「戦場に不要の人間が居てはいかぬ」と疎開を命じた。住民は「避難」ではなく排除されたのだ。「ノーモア沖縄戦
命(ぬち)どぅ宝の会」は、島々を戦場化する避難計画は「荒唐無稽(こうとうむけい)で県民に犠牲を強いる住民疎開計画」と、即時撤回を求めている。
地域から軍事化止める
今、私たちは「戦争か平和か」の大きな岐路にある。
ZENKOは、内外の反戦運動を結ぶ「2025スピーキングツアー(5/24〜6/1)」集会を全国9会場で開催する。沖縄をはじめ京都・大分など各地の反戦反基地運動、そして韓国・台湾・米国の闘いと連帯し、戦争を阻止しよう。
京都府精華町議選(5/6告示、5/11投票)には、増設される日本最大級のミサイル弾薬庫問題に取り組む「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬問題を考える住民ネットワーク」副代表が立候補を予定する。地域から軍事化・戦争準備を許さない重要な意義を持つ闘いだ。
石破政権の大軍拡・戦争路線を平和を求める国際連帯で止めよう。
(4月27日) |
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