2025年05月09日 1870号
【訪問介護報酬引き下げ撤回へ/実態踏まえた自治体請願も/7・25厚労省交渉へ署名呼びかけ】
|
4月27日、大阪市内で第3回「訪問介護報酬引き下げを撤回させ、尊厳ある暮らしを保障させる集い」が開催され、オンラインの7人を含む32人が参加した。
昨年度の介護事業所の倒産は784件で過去最高。とくに訪問介護事業所が0の市町村が107町村に上るなど空白地域が拡大している現状がある。
西宮市でデイサービスセンターの代表を務める畑さんは2月、昨年おこなった事業所向けのアンケート結果をもとに市に請願を提出。市内の約50事業所から「深刻な収入減」「倒産の不安」「基本報酬の引き上げ要望」の回答があることを伝え、市の主導による実態調査の必要性などを訴えた。
介護報酬の改善や訪問事業所への支援を要望する請願は、神戸市でも2月に「安心と笑顔の社会保障ネットワーク」によって行われた。ネットワーク代表の菊地さんは介護現場の実態を落語にしてわかりやすく伝える活動もしている。
「平和と民主主義をともにつくる会・おおさか」の森さんは、大阪市内で介護保険制度利用者へのアンケート実施を報告。介護保険料は高額と感じると同時に、ヘルパーの仕事は報酬に見合わない激務と感じる人が多く、待遇改善を希望する声も多いことがわかった。
枚方市内の訪問入浴介護事業所で働く佐藤さんは、訪問入浴介護というサービスの知名度の低さ自体に危機感を持っている。利用者の多くはターミナル(看取り)期で長く利用する人が少なく、口コミが発生しないので業績が上向く展望を持てないと述べる。「最後にお風呂に入りたかったけれど、入れなかった」と言う人が一人もいない社会を目指し、そのためには制度の改善が必要だと指摘する。
大阪市の事業所の吉田さんは「介護報酬引き下げ撤回、介護職員給与の大幅引き上げ」を求める署名を提案。要求項目などに意見が出た。署名は7月25日の厚生労働省交渉で提出し、27日には2025ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の分科会でさらに交流を深める。
この介護の集いも3回目。参加者、発言者も増え、質問も活発にされる積極的な議論の場となっている。

 |
|