2025年05月16日 1871号
【未来への責任(417)/長生炭鉱交渉で前進 第3次クラファンへ】
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4月17日、クレーン台船を長生(ちょうせい)炭鉱の海上に投入し、作業が行われた。沖合のピーヤ(排気・排水用の構造物)から、1本100`以上はあるような大きな鉄管、太さから排気管であろうと思われる鉄管を5本排出した。ピーヤ内は木材や漁網などが詰まっており前に進めない状態。海中の坑道を支えていた木材を除去すると鉄管が崩れ落ちてくる危険があるため、まずは鉄管が排出される。
次は深さ2・5bから3bに積み重なっている木材を排出するが、これは人力でないとできない。予定稼働日数は30日だ。今後、横穴が見つかるか、また土があるかもしれない。土が大量にあれば人力では難しく、再度のクレーン台船を必要とするが、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の資金は底をついている。
4月22日には政府との意見交換会を開いた。160人が参加し、刻む会も山口からの7人含む13人が参加して政府に全力でぶつかった。メディアも多く参加して注目されていることを示した。国会議員も過去最大の15人が参加。4月7日の参議院決算委員会で大椿ゆうこ議員が石破茂首相と直接対決したように、もはや政府は長生炭鉱遺骨収集問題から逃げられない状況が生まれている。
石破首相は潜水調査について、潜水艦救難などに当たる高度な技術を持つ自衛隊のダイバーと伊左治(いさじ)佳孝さんが話し合えば活路が開けることもある、と国会で述べている。対応に出た厚生労働省人道調査室は「事案の性格に照らし専門家から意見を聞き検討する」と返事した。今回、水中ドローンでは無理だという結論に達し、潜水調査を含めもっと具体的な話をしている。それこそが前進している証左だと思う。
外務省からは「DNA鑑定以外に遺族を照合する方法はない。遺族のDNA情報を得るには韓国政府に要請しなければならない。要請する責任は外務省になる」との話も出た。これは重要だ。
潜水調査では韓国のダイバーも迎え困難にはクレーン台船まで投入する我々の決意が社会の支持を作り出し、政治を変え始めた。次は第3次のクラウドファンディングを成功させ、困難なピーヤの障害物を除去し、ご遺骨への道を切り開くことだ。
第3次クラファンの目標は700万円で今後の作業や潜水調査に充てる。すでに4月22日から開始したが、7月21日期限で集めている。全国の皆さんの支持を得て我々は前へ進むことができる。
次回潜水調査は、6月18日正午から、19日は午前9時からを予定している。できれば皆さんにもぜひ一度現地にお越しいただき、現地の取り組みを見守っていただきたい。
(長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会・事務局長 上田慶司)
◆クラファンは長生炭鉱遺骨収容プロジェクトへ
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