2025年06月06日 1873号
【渋谷さんの雇止め撤回へ/労働委員会に救済命令申し立て/なかまユニオン神明会ラ・アケソニア分会】
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大阪府箕面(みのお)市の医療法人神明会が2024年9月、なかまユニオン神明会ラ・アケソニア分会の分会代表渋谷国彦さんの定年後嘱託雇用を拒否したことに対して、なかまユニオンは25年4月大阪府労働委員会に「渋谷分会代表の雇止め撤回と職場復帰」を求めて不当労働行為救済命令申し立てを行った。渋谷分会代表に報告を寄せてもらった。
なかまユニオン神明会ラ・アケソニア分会は、21年6月介護リーダーの不当配転撤回を勝ち取って以来、15分未満残業カット撤廃・不払い残業代請求など労働条件改善をしてきました。神明会はこれを敵視して組合員への配転や管理職5名での圧迫面談で退職誘導などを行いました。そして分会代表である私、渋谷の雇止めは、組合弱体化を狙う支配介入と就労を奪う不利益扱いに当たる不当労働行為です。即時撤回と職場復帰を求めています。
安全を脅かす雇止め
介護職員の不足で利用者の送迎を行えず、急きょリハビリ職員や管理職員、相談職員などが応援せざるを得なくなっています。約30名の入浴介助では介護職員5〜6名が必要な時、フロアで過ごす利用者に対応する職員がおらず、リハビリ職員や休みの職員に応援のための出勤を依頼する事態です、にもかかわらず介護リーダーを務めてきた渋谷を雇止めにしました。これは、利用する高齢者の安全を脅かすものです。
スタンディング150回!
就労できなくなった24年10月1日から朝、施設前でスタンディングを始めて、25年5月で150回となりました。最近入職したある介護職員は「(門前で立っている姿を)最初見た時は何も思わなかったけど、毎日毎日立っている姿をみて感銘を受けました」と応援してくれます。人権が侵害されることに対して許せないとの行動に共感してくれています。また、10%賃上げを!などの要求を掲げて、職員から「(神明会は)人の扱いが悪いよね」との声が寄せられ、雇止め撤回を求める声の拡がりができています。
「応援する会」で反撃
25年3月16日には、「(医)神明会による渋谷氏雇止め撤回と組合の職場改善活動を応援する会」が4名の共同代表(中西とも子箕面市議・木村真豊中市議・西山直洋おおさかユニオンネットワーク代表・普門大輔弁護士 順不同)の呼びかけで結成されました。地域の5団体と70名を超える個人が、「介護職場の改善活動は、介護職員が働き続けることができる労働条件・労働環境をめざすもので、良い介護を提供するために必要不可欠」というメッセージに応えての結成となりました。神明会を包囲する大きな力となっています。
5月25日には「交流会」を行います。多くの介護職員が人手不足で、目の前の高齢者の食事・入浴・排泄の介助に手一杯で、高齢者が望む“人としての生活”を支援することをめざしているのに提供できていないとの葛藤に苦しんでいます。アケソニアに限らず地域の介護に携わる職員共通の思いを共有して繋がりを作っていこうと思います。それぞれの職場での実情を交流し、少しずつ改善に向けた取り組みに繋げていきたいと思います。そのために雇止めを撤回させ職場復帰を勝ち取りたいと思います。
この闘いへの思いは▼高齢者が人らしく幸せに、望む生活の継続を支える介護を安全に提供すること▼そして、その介護施設を支える労働者の生活を豊かに継続できるものにしたい▼「お金がある人は良い介護を受けることができる」ではなく、誰にでも権利として保障される社会にしたい―です。そのためには、軍事を優先して、介護を切り縮めようとする国の政策を転換させる必要があると思います。一つ一つの介護職場から声を上げ、地域で繋がることで私たちに力があることを示したいと思います。皆さん共に前進しましょう!
不当労働行為救済申立内容
分会長に次の措置を含め、他の労働者と同様の状態を回復しなければならない。
(1)嘱託雇用契約を締結のうえ、介護職員として復帰従事させること。
(2)職務に復帰従事するまでに分会長が受けるはずであった賃金相当額を支払うこと。
(3)雇止めが不当労働行為であったことを認め、撤回・謝罪する文書を各施設の見やすい場所に掲示すること。
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