2025年06月06日 1873号
【みるよむ(735)/2025年5月10日配信/イラク看護師労働組合がストライキ/全国で「賃金を払え」】
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3月25日、イラク看護師労働組合が24時間の全面ストライキに入った。組合は賃上げをはじめとした労働条件改善を要求している。闘いに押されて、イラク政府も対応せざるをえなくなっている。4月、サナテレビが報道した。
サナテレビは、イラク看護師労働組合のストライキの要求を列挙する。たとえば「給与凍結の解除」だ。他の公的部門と同様に、病院でも看護師への給与の遅配が深刻な問題となっている。まじめに働いてもきちんと賃金が支払われない。本当に切実な要求だ。
映像は「看護師総合ストライキ」の横断幕を掲げる組合員たちの姿を映し出す。レポーターは「3月25日、ストライキが始まり、看護師が医療に不可欠な役割を果たしているため、業務が麻痺しました」と報じた。
サナテレビによると、イラク全土の病院で救急部門を除く看護労働者がストライキに突入したという。非常に組織的に、大規模に取り組んだ闘いだ。
看護労働者の闘いの高揚に押されて、スダーニ首相は看護師の要求を支持すると表明。内閣は多くの要求を承認した。組合は保健大臣との話し合い=団体交渉を勝ち取り、イラク政府は組合側の「多くの要求を実施することを余儀なくされた」のである。
要求実現まで闘いは続く
政府は組合側の要求を口先では受け入れたが、この映像の制作段階では、実施までには至っていない。しかし「医療従事者が直面する不当な労働条件に服従することを拒否する姿勢」が続く限り、「要求が満たされるまで」闘いは続く。
イラクの医療労働者は、低賃金や給与の不払いなど長年にわたり低労働条件に苦しめられてきた。その中で看護師労働組合の全面ストライキは、労働条件改善に向けて政府を動かし追いつめている。イラク労働者の闘いに連帯したい。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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