2025年06月20日 1875号

【議会を変える/大阪狭山市議 小芝ひでとし/条例は通ったが公立幼稚園つぶし見直し求め続ける】

 大阪狭山市議会は、3月定例議会最終日の3月26日、「3つの幼稚園と1つのこども園を1つの新こども園に統合する」条例案を、賛成多数で可決・成立させました。「東野幼稚園をなくさないで」という「徒歩や自転車で通える公立幼稚園の存続を求める署名」1212筆の地域・住民の声を踏みにじる採択でした。反対は、残念ながら、一人会派「ええまち狭山」の私ひとり。他の5会派は、すべて賛成にまわりました。

 条例は、いったん可決・成立はしましたが、おかしいことは、やはりおかしい。地元住民への説明が一番後回しで、まだ廃園にしてほしくない入園希望者が少なからずおられるのですから。今、私は、諦めかけている保護者の皆さんに、今後もこの条例の見直しを求めていく「お手紙」を幼稚園の前で手渡しています。

 そして、この過程で分かってきたことがあります。それは、これまで、この条例は「4つの園を1つの園に『統合』するもの」と捉えてきましたが、そうではないということ。条例は、まず先に3つの公立幼稚園をつぶして、その後に老朽化したこども園を新こども園に建て替え移転するという仕組みだということが明らかになってきたのです。すなわち、これは、公立幼稚園つぶしを目的としたものだったのです。「高校無償化」の名の下で、今、大阪で進められている公立高校つぶしと全く同じなのです。

 新こども園の開園は、2029年の予定です。しかし、東野幼稚園は、今年度の入園の応募がなかったことを理由に、今後の入園募集を打ち切りました。他の東幼稚園も半田幼稚園も、2026年をもって入園募集を停止するとしています。2029年の新こども園開園までに3つの公立幼稚園は廃園にされてしまうのです。

 市は、少なくとも2029年の新こども園開園まで、3つの公立幼稚園の入園募集を停止することなく、続けるべきです。そして、通園・在籍する園児たちが安心してスムーズに新こども園に転園できるように準備しなければなりません。それが、公立園を残す市としての責任ではないでしょうか。

 私は、公立幼稚園つぶしのこの条例の見直しを働きかけるとともに、新こども園開園まで入園募集を継続することを地域住民の方とともに求めていきたいと思っています。
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