2025年06月20日 1875号
【学術会議解体法案 強行糾弾/任命拒否当事者が国会前座り込み】
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2020年、菅義偉(よしひで)首相(当時)によって日本学術会議会員への任命を拒否された学者らが6月4日、国会前に座り込んだ。
その一人、加藤陽子・東大教授は「学術会議法案は内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が中心になって起草した。任命拒否に関わる内閣府作成の文書に、下村博文・元文科相が進めた国際リニアコライダー計画に異を唱える学術会議は問題あり、とする記述がある。トップダウンの政策立案を邪魔し、面倒な文句を言う組織はなくなっていい、というのがこの法案だ」とずばり指摘する。
同じく小澤隆一・東京慈恵医大名誉教授は、治安維持法下で獄死させられた哲学者・三木清の『人生論ノート』を手に「20年前に静岡大学で教えた学生が励ましの手紙とともに送ってくれたもの。日本のどの大学もこういうアカデミアンを生んできた。さまざまな大学のボトムアップで支えられている学術をぶち壊してはならない」と訴えた。
法案は11日、参院本会議で可決・成立したが、9日夜には学者ら40人の座り込みに300人を超す人びとが応援に駆けつけ、学術の戦争動員を許さない市民と研究者の共働が確固として築かれた。
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