2025年06月20日 1875号

【沖縄・西日本ネットが交渉/軍事化反対で政府を追及/住民説明会拒否に怒号】

 軍事化の進む西日本各地の35の市民団体は、「戦争とめよう!沖縄・西日本ネットワーク(沖西ネット)」を2月に鹿児島で結成。6月6日、沖縄、熊本、大分、広島、京都など各地から結集し、衆院第一議員会館で防衛省、外務省らと交渉を行った。会場200人、オンライン300人が参加。

 交渉に先立って、沖西ネット共同代表で京都の呉羽真弓さんが防衛省に要請書を手交し、続いて各団体も地域それぞれの要請書を提出。京都府精華町議の神田たかひろさんは、祝園(ほうその)弾薬庫について「ミサイル弾薬庫は許せん」と厳しい言葉を述べて要請書を提出した。

 交渉で、佐賀空港オスプレイ配備に関する住民説明会の開催を再度求めた。防衛省は「自治体とは今後も調整するが、改めて住民説明会はしない」と断言。会場は反発、怒号で覆われた。

 熊本県からは「防衛省にお願いしても自治体を通してくれ、自治体に言うと国が決めたことだから。どうしたらいいのか」。石垣島の藤井幸子さんは「自治体は住民で成り立っている。住民が不安を抱えたままでは、了解を得られたことにはならない」と追及した。

 長射程ミサイル12式地対艦ミサイルの配備については、配備先は検討中で明らかにしない上、「自治体に情報提供」と述べるにとどめ、住民説明会開催は頑なに明言しなかった。

 愛媛から、共同代表の高井弘之さんは「自治体と調整と何度も言うが、ならば沖縄のように首長が長射程ミサイル配備に反対したら配備しないのか」。重ねて、沖縄の具志堅隆松さんが「玉城デニー知事は反対しています。沖縄は除く、でいいですね。『はい』と言うしかないですね。その返事を沖縄に持って帰ります」と問い詰めると、会場一体となって回答を求めた。

 防衛省が答えに窮していると、具志堅さんは「答えないなら、『はい』と受け取ります」と述べ、会場は拍手で応じた。居並ぶ官僚の困惑が印象的だ。

 各省庁は、沖西ネットの「地域の緊張を招く軍事施設設置の中止」「軍事費増大反対」などの要請に正面から答えようとしない。再度、文書回答を要請した。

 記者会見で、具志堅さんは「全国の連帯が先と」した上で、戦争を止めるための国際連帯を強調した。


知り、つながり、止める!/戦争させない確信を共有/市民交流集会

 翌7日の市民交流集会には、立ち見も出た会場とオンライン合わせて550人が集い、「知る」「つながる」ことで戦争は必ず止められるという勇気と確信を分かち合った。

 ジャーナリストで『ルポ軍事優先社会―暮らしの中の「戦争準備」』(岩波新書)の近著がある吉田敏浩さんが講演。「中谷防衛相は『ワンシアター=一つの戦域』構想を発表し、日本が能動的・積極的に中国封じ込めの戦略を担う前のめりの姿勢を見せている」と指摘し、「私たちは『ジャパン・マジャン』(ビルマの少数民族の言葉で『日本戦争』)を繰り返してはならない。『難死』させられることも、他国の人たちに『難死』を強いることも拒否し、主権者として声を上げよう」と呼びかけた。

 沖縄・石垣島から京都・祝園に至る西日本各地に加えて首都圏からも、加速する軍拡の動きが報告され、沖西ネット共同代表・呉羽真弓さんが「『知った』ことで考えが深まった。『つながった』ことで力をもらった。そしてこれから『止める』んです」と述べて二日間を締めくくった。



イスラエルは虐殺やめろ! 強制移住やめろ!

 6月6日、9条改憲NO!市民アクション・滋賀の30人以上が、ジェノサイドと日本政府・企業の関与をやめさせようとスタンディング(JR守山駅前)

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