2025年06月27日 1876号

【ミサイルよりスマイルを 弾薬庫増設反対パレード/10月に京都・精華町で全関西=全国集会/ほうそのネット】

 6月15日、「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク(ほうそのネット)」が学習会と総会を行い、250人が参加。布施祐仁さん(フリージャーナリスト)の講演を踏まえ、今後の方針を確認した。

宮古島で爆発事故の記憶

 布施祐仁さんが「新たな戦前にしないために」と題し進む基地強化の中で、祝園が狙われた点を解説した。

 「これだけ広大な施設は全国でも少ない。2032年度までに建設する大型弾薬庫130棟の1割以上が祝園で計画されたのは、この広大な敷地が狙われた」

 また、基地化が進む宮古島と重なる点も指摘。「宮古島では、2019年に陸上自衛隊の部隊が配備され、そのミサイルを貯蔵する火薬庫が2つ造られ、さらにもう1つ造る計画。ここも弾薬庫から地元の人びとが住む集落まで200bしかなく、全く軍民分離ができていない。弾薬庫が建設された保良(ぼら)地区住民が建設に反対した理由の一つが、第二次世界大戦中に自然の洞窟を利用した火薬庫の爆発事故。その事故で、兵士の他に地元の1歳と13歳の子どもが死亡したこと」

 鹿児島から沖縄にかかる島々での自衛隊基地の目的変容を強調する。「島々に配備されている自衛隊のミサイルは、12(ひとに)式地対艦誘導弾で、このミサイルの射程距離を千`まで伸ばす計画がほぼ完成。来年3月から配備が開始されると、ミサイルの届く範囲は東シナ海の台湾海峡や中国本土までとなる」

 参加者は緊迫する情勢への緊張感を共有した。

ほうそのネットの歩み

 総会では、5月の精華町議選で神田たかひろ副代表が当選したことを確認。その神田さんが、ほうそのネットの活動経過を報告した。

 ▽昨年5月に300人、8月に550人の学習会と300人のピースパレードを実施▽昨年4月から、防衛省近畿中部防衛局、精華町、京都府、京田辺市へ、住民説明会の開催を求める要望に取り組む▽精華町では財政課長・総務部長と懇談▽申し入れ等に活用するため、対策チームを創設して資料作り▽防衛省近畿中部防衛局に対する「住民説明会の開催を要望する署名」に取り組み、2月14日までに2回提出、署名数は現在13602筆▽大学習会の告知ビラ、パンフレットを精華町内に全戸配付▽「戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク」の結成集会(2月)、東京行動(6月)に複数で参加―と、着実に取り組みを重ねてきたことを確認した。

闘いは新たな段階へ

 呉羽真弓共同代表が11人の組織体制を紹介する。

 ▽共同代表―大植登(京田辺市)、呉羽真弓(木津川市)、真崎一伸(精華町)▽副代表―神田高宏(精華町)、佐々木実(枚方市)、塩貝建夫(京田辺市)、日名子大介(八幡市)、布施田正志(精華町)、松尾憲(久御山町)、八木健彦(奈良市)▽運営委員長―大西浩安(精華町)と、地域を網羅する面々だ。

 当面の方針として、▽近日中に開催が予想される工事説明会に地元住民など多くの参加を呼びかけ、総合的な説明を求める▽造成工事が強行された場合は抗議行動を行う▽10月に祝園現地で全関西=全国集会に取り組む―を呼びかけた。

 質疑の中で、新たな署名を検討中であることも伝えられ、参加者の拍手でより広範な人びとへ運動を広げていく方針が承認された。

 終了後、ミサイルの長さの大横断幕とともに120人がピースパレード。精華町に「ミサイルよりスマイルを。ミサイル弾薬庫はいらない」と声を轟かせた。





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