2025年07月18日 1879号
【議会を変える、市民と変える/京都府向日市議 杉谷伸夫/保育所の給食まで民間委託/修正案提出し争点に】
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向日市議会6月定例会に、向日市立保育所の給食調理業務を来年4月から外部委託するための補正予算が提出され、大きな争点になりました。
向日市には、市立保育所3園、民間保育所6園(他に小規模保育施設6園)があります。今回は、市立保育所1園について、給食調理施設はそのままで、調理業務のみ外部委託するというのです。
その理由を聞くと、給食調理員の高齢化が進み、臨時職員を募集しても集まらず調理員の確保が難しく、このままでは給食を安定して提供することが難しくなる、というのです。
これまでそんなせっぱつまった状況になっているという情報提供もなく、この議会で議決しないと事業者の公募などの準備が間に合わない、と言われて「承認」に手を上げることを迫られていることに、大変困惑しました。
もう一人の議員と相談し、大急ぎで現状調査をおこないました。確かに給食調理の現場は人手不足で大変そうです。でも、正規職の調理員は2名だけで、他はアルバイト職員、派遣職員で、アルバイト職員が定着しないようです。それなのに正規職員は募集していません。
市内の民間保育所の聞き取りも進めたところ、外部委託しているのは1園のみで、今後も外部委託の予定は無いそうです。公立保育所だけ、直営の継続ができないはずはありません。「給食は保育の一部」と、こどもたちが調理の様子を見れるように給食調理場をガラス張りにしている園もありました。
保護者会や保育士の労働組合への事前説明は無く、議会提案後の説明は「もう決まったこと」のような説明だったそうです。
そこで、補正予算のうち給食調理の外部委託の部分を削除する修正案を提出しました。結果は残念ながら否決でしたが、めずらしいことに修正案に対する質疑が6回もありました。私は6回とも答弁に立ちましたが、その中で修正案の提案に至った理由について説明することができました。議会は、予想外のことがある方が盛り上がります。
民間委託の流れが、保育所の給食にまで及んできています。こどもたちにとって何が望ましいかより、民間の「専門事業者」にまかせておけば手がかからず安心、という安易な方向に流されないようにしなければと思います。 |
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