2025年07月25日 1880号

【1880号主張/ZENKOin相模原で社会変革の展望を/危険な排外主義にノー】

充満する市民の怒り

 市民の怒りは頂点に達している。30年間実質賃金は下がり続けた上、物価高が拍車をかけ、生活の悪化は解消されない。軍事費は青天井だが、福祉・医療・教育・農林水産業は切り捨てられ、非正規雇用は増大し労働者の権利も切り縮められた。自公政権が進めた新自由主義政策は、生活苦と生きづらさを著しく深刻化させた。参院選で自公政権を倒し、根本的政策転換をはかることが問われている。

 一方で、生活苦に対する不満のはけ口として外国人や高齢者を標的にする、政策とは到底呼べないヘイトスピーチが選挙戦で公然と飛びかう。少数者や社会的弱者を攻撃する差別煽動で市民意識の糾合を狙う参政党・国民民主党などの伸長を許してはならない。

危険な参政党のヘイト

 「日本人ファースト」を掲げる参政党の外国人ヘイトは際立っている。生活保護など事実無根の社会保障優遇論で「外国人に対する規制強化・権利の制限」を強く打ち出し、「日本人のために税を使え」と主張。敵対心をあおり排斥感情をかき立てる。ヘイトスピーチ解消法の立法事実となった在特会の主張と瓜二つで、外国人を劣位に置き命に序列を設けるおぞましい差別・排外主義の論理だ。

 背景に参政党憲法案がある。主権は国民でなく「国」が有する(第1条)とし、国民の基準は日本人の「血縁」と日本語、「日本を大切にする心」(第5条)として、国民には「国家を守る義務」(同条2項)を課す。さらに国民の利益より国の利益が優先する(第6条)。基本的人権や労働者の権利は皆無に等しい。

 憲法案は「日本人ファースト」と一体だ。異なる国籍・民族間や世代間の対立を煽り、共生社会を壊し、さらには戦争への地ならしとなる。極めて危険だ。この「日本人」とは日本国籍保持者でなく「血縁」や国家に忠誠を尽くす人で、それ以外は「非国民」とされ、幾重にも分断をもたらす。

 自民党が衰退に向かう中、参政党らが戦争推進の役割を補い、市民を誘導しようとしている。徹底して批判を広げなければならない。

対案は民衆連帯

 差別・排外主義の対案は民衆連帯と国際連帯だ。

 2025ZENKOin相模原(さがみはら)(7/26〜7/27)には、パレスチナ現地からPWSU(パレスチナ労働者闘争ユニオン)委員長が初めて来日。トランプ政権下で闘うDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)、イラク、韓国、台湾、フィリピン、ビルマ、沖縄をはじめ全国で軍事化反対や民主主義をめざす人びとが集い、国際連帯で平和をつくる行動方針を打ち立てる。

 戦争と軍事化、原発・カジノなどあらゆる新自由主義政策と闘い、民主主義的社会主義への変革の展望を切り拓こう。

 (7月13日)
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS