2025年07月25日 1880号

【命・人権無視の夢洲万博/「死ねというのか」/工事未払い放置の維新府市政/当事者と府民の会が行動】

 大阪・関西万博の工事費未払いが大問題となっている。7月9日、万博工事未払い問題被害当事者と夢洲(ゆめしま)カジノに反対する大阪府民の会が共同記者会見。この時点で、ネパール、マルタ、ドイツ、米国など7か国以上の海外パビリオンの未払い発覚の中、アンゴラ館と中国館の下請け業者が出席し、府庁記者会見室は新聞TV各社であふれた。

 中国館で6千万円の未払いがある被害当事者は「開会に間に合わせるために昼夜を問わず働き、不備なく完了したのになぜ支払われないのか。身銭を切っているが、いつ倒れてもおかしくない。悔しい。全社に支払ってほしい」と訴える。

 アンゴラ館を担当した当事者は「正当な対価を払ってほしいと言ってるだけ。みなぎりぎりの状況で、家賃が払えず退去の仲間も。このままだと誰かが死んでもおかしくない。被害者の会で府に救済を求め要請書を出したが、吉村知事は『民民の問題』。寄り添うと言いながら実際は何の対応もしない。助けるのか、それとも死ねというのか。諦めず仲間を助けたい」と強い憤りと決意を述べた。

署名に広がる反響

 府民の会は「廃棄物最終処分場の夢洲立地から、メタンガス爆発や万博遠足強要など、命・人権を無視する大阪府市、万博協会の姿勢と未払いの根は同じ」と強調。被害回復へともに闘うことを表明した。

 万博工事未払い問題被害者の会は、国、万博協会、大阪府に対し緊急の救済を求めるウェブ署名を開始している。

 要請項目は「(1)命と生活を守るために、一刻も早く私たちに対して未払い工事代金の立て替え払いをしてください(2)命と生活を守るために、返済期間が長期の無利子融資を緊急に実行してください」という当事者の生存にかかわる切実なものだ。反響は急速に広がり、当事者の会は16日、3万6331筆をまず内閣府と経済産業省に提出した。

 9日の会見後、被害者の会メンバーと府民の会は、地下鉄天満橋駅前で緊急のカンパの訴えとともに宣伝署名活動。「維新府市政は責任をとれ!命を守れ!弱い者にしわ寄せするな!」と市民にアピールした。

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