2025年08月08日 1882号

【2025ZENKOin相模原に1000人/パレスチナ虐殺止める国際連帯の闘いへ】

 「今すぐ虐殺・戦争とめよう! 国際連帯で平和をつくる!」を掲げた2025ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が7月26〜27日、神奈川県相模原市で開催された。国内外から多彩なゲストを迎え、平和と民主主義をめざす幅広い闘いを交流。今後1年間の闘いの方針を確認した。大阪市内にサテライト会場が設けられた。前日のワンデーアクションをあわせ、のべ1000人が参加した。

世界的な共同戦線を

 今この時も、ガザでは罪のない子どもたちが殺されている。イスラエルのジェノサイドを一刻も早く止めるための方針を―参加者の共通した思いだった。

 1日目の全体会議。来日予定だったPWSU(パレスチナ労働者闘争ユニオン)モハマド・アローシュ委員長へのビザ発給が間に合わず、出国できなかった。イスラエルのイラン攻撃による「特別非常事態」発令の影響だった。アローシュさんは、パレスチナ現地からオンラインで発言。「イスラエルは爆撃とともに、食糧と労働者の尊厳を奪う全面戦争を仕掛けている」と述べ、「ともに闘う同志として、世界的な共同戦線が必要だ」と訴えた。

 これに応えたのが世界各地から50以上の労働組合、政党などが結集するUWFPP(パレスチナ人民防衛統一労働者戦線)。サミール・アディル事務局長は「パレスチナの大義は、労働者階級と進歩的人類の大義」と強調。DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)国際委員会運営委員アンリン・ワンさんはニューヨーク市長選民主党予備選で反シオニスト、ゾーラン・マムダニ勝利が米支配層に与えたダメージを報告した。

 イスラエルを支持し、共謀する主要国政府、グローバル資本の引き起こす「危機」。それに対抗する労働者、市民の国際連帯の闘いがいかに重要なのかが明確になった。2日目の分科会でZENKOとDSA、UWFPPがBDS(ボイコット、投資引き揚げ、制裁)運動の共同行動週間を設定する方針が確認された。

東アジア軍事化を阻止

 「パレスチナで起こっていることは、太平洋地域での平和の闘いと切っても切れない関係」(アンリンさん)だ。実際、東アジア各国は軍事力増強をはかっている。台湾の民進党政権。フィリピンのマルコス政権。韓国では大統領は変わったが、韓米軍事同盟は維持、強化される。各国のゲストの報告で明らかにされた。

 米政権の対中国軍事包囲網の最前線にされる沖縄。「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」新垣邦雄事務局長は「軍事力は戦争を抑止できない」と指摘し、「軍縮と対話による共存共栄をめざすべき」と訴えた。

 分科会では、台湾の実態を学ぶ「訪問団」が方針化された。日本が植民地とした歴史や中国に対する市民の感情など、米政権が煽る「台湾有事」の虚構を市民が連携してはね返す重要な取り組みだ。

 日本各地での軍事化を阻止する闘いが強化される。「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」が参加する「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」は10月19日全国集会を開き、闘いの輪を拡げる。

希望をつなぐ闘い

 軍事優先の政治は、市民生活を犠牲にする。人権を無視し、命を軽んじる。

 国策として進めてきた原発。事故にいたる国の責任を免罪する最高裁を包囲する行動には、原発争議だけでなく司法崩壊に危機感を持つ多くの市民が結集した。来年さらに大きな取り組みにする方針だ。

 不安定雇用撤廃を議論した労働分科会では、非正規の賃上げ、権利拡大をめざす「26非正規春闘」に取り組むことを決めた。

 「危険な万博、カジノ中止」や「自治体破壊」との闘いなど14の分科会が開催され、課題解決に向けた方針を確認した。若者たちは「生きづらさ」の元凶を学び、資本の支配をはね返そうと交流会を持ち、社会変革への思いを強めた。

 ステージ背景に「パレスチナ国旗」模様の凧の絵が掲げられた。ガザの子どもたちが東日本大震災の復興を祈って毎年凧揚げをしているのを受け、日本から昨年11月、全国各地でパレスチナに向け「希望の凧」が揚げられた。今年の開催地には、200年ほど続く「相模の大凧(おおだこ)」揚げの伝統がある。この大凧で「大きな希望」を届けたい。実行委員の思いだ。サミールさんは、ガザのUWFPPメンバーにZENKOの取り組みを知らせたところ「子どもは餓死しているが、われわれは孤立していない。励みになる」と返信があったことを総括集会で紹介した。

 来年は大阪で開催される。

2025ZENKO全体重点方針

(1)パレスチナ・ガザ即時停戦を実現。イスラエル協力企業、米国・イスラエル大使館・領事館、日本政府、GPIFに要請行動を。パレスチナ国家承認を日本政府に要求。ウクライナ戦争を終わらせよう。

(2)「ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)」第三次署名を世界で。東アジアの平和をつくる国際オンライン集会を開催。

(3)10月19日、京都の祝園・全国大集会(「沖縄・西日本ネットワーク」主催)の成功を。沖縄参加団の定期開催で、連帯を深めよう。

(4)大阪万博・カジノ中止。新自由主義推進の維新政治を転換させよう。

(5)今秋、大軍拡を許さぬ「ZENKO中央要請行動」

(6)あらゆる闘いを集め「団結まつり」を10月13日大阪、11月2日東京で開催。

(7)11〜12月、沖縄連帯ZENKOスピーキングツアーを全国で。

(8)26年2月、ZENKOユース平和参加団を開催。

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