2025年08月08日 1882号
【世界の民衆の力でともに平和をつくろう ZENKOin相模原/響き渡るフリーフリーパレスチナ】
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今すぐ虐殺・戦争とめよう! 国際連帯で平和をつくる!≠掲げた2025ZENKOin相模原。7月26日のメイン集会では、パレスチナ虐殺を止め、東アジアを戦場にさせないとパレスチナ、イラク、米国、韓国、台湾、フィリピン、ビルマで闘う反戦平和勢力からアピールが発せられた。《関連記事2・3・6面》
ガザ虐殺を止めよ─公正な平和とパレスチナ国家の樹立を求めて/PWSU(パレスチナ労働者闘争ユニオン) モハマド・アローシュさん

パレスチナは、単に「川から海まで」の地理的な問題にとどまらない。パレスチナと共に立つということは、不正義を拒み、真実を支え、「自由とは分割され得ない」という信念を貫くことにほかならない。
パレスチナは今、より野蛮な新自由主義政策の実験場と化している。何十万という労働者が失業と貧困、そして社会的脆弱性へと追いやられている。
パレスチナ労働者闘争ユニオンはここに強く宣言する。労働者の権利―賃金、社会保障、自由な組合活動の権利、国内外における法的保護―を守ることは、解放闘争の不可分の一部だ。占領への抵抗とは切っても切れないものだ。
世界中のすべての自由な労働組合、労働運動、進歩的かつ社会主義的勢力に訴える。パレスチナ労働者の問題を自らの闘争の中心に据えてほしい。パレスチナに対する経済的絞殺を打ち破るため、実効的な圧力をかけてほしい。イスラエルが労働者に科している搾取、収奪、そしてアパルトヘイト的政策の実態を暴いてほしい。
国際的な諸機関で、メディアで、大学で、そして街頭で―皆さんの声を大きく響かせてほしい。怒りを「政治的力」へと転化し、連帯を「侵略・帝国主義・人種差別に抗する世界的な共同戦線」へと変えてほしい。パレスチナは決して消えない。占領は必ず終わる。平和は正義の上にしか築かれない。皆さんはこの偉大な旅路の一部なのだ。
パレスチナに栄光あれ。
世界のすべての自由な人びとに栄光あれ。
アンリン・ワンさん DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)国際委員会/パレスチナは私たちと切り離せない/ともに変革をめざす同志に

いま世界中で、政治的立場やアイデンティティ、社会的背景を超え、良心ある人びとがジェノサイドに反対し、パレスチナの側に立っている。米国支配層は、パレスチナの民族浄化を推し進めるために、自らの中核的利益さえも犠牲にする姿勢をあらわにしているが、同じことが太平洋地域においても起こりうると私たちは見なければならない。
トランプ政権は、世界各地で異議申立てや反対の声を封じ込めようとしている。だが、米国最大の社会主義組織DSAのマムダニ同志は、ニューヨーク市長選民主党予備選挙に勝利した。誇り高き反シオニストで、州議会議員としてイスラエル入植者団体への公的資金支給を停止する法案を提出した。ユダヤ系民主党員の多数も彼に投票した。この結果は、長年にわたる選挙運動が築いてきた土台の上に成り立っている。
パレスチナで起こっていることは、私たちが太平洋地域で闘う「平和のための闘い」と切っても切り離せない。日本は、米国の戦争戦略で重要な位置を占める。平和を愛する国際的な連帯を築こうとするZENKO―ZHAPの取り組みが世界で極めて重要だ。MDSは中心的な役割を担い、DSAも米国でその運動を広げることに力を尽くす。
より団結した運動を日米両国で築いていけるのは、民主主義的社会主義をめざすパートナーである私たちが共に手を取り合うときだけだ。まだMDSのメンバーでない方がいたら、ぜひ参加してほしい。
キム・ヨンテさん 群山基地反対活動家

現在380万平方メートルの群山(クンサン)基地は、セマングム新空港建設などで拡張されて最終的に600万平方メートル、世界最大級の米軍基地になる。最新鋭戦闘機F-35Aが計40機配備される。駐韓米軍司令官は5月、「韓国は日本と中国の間に浮かぶ航空母艦のような存在」と発言した。
米軍は韓国にある武器と韓国軍50万人を自由に扱おうとしている。韓国は米中の代理戦争に引き込まれ、その餌食になる。
群山と平沢(ピョンテク)に星州(ソンジュ)と同じサード(高高度地域防衛)ミサイルを配備する動きもある。
9月には、空中・海上・サイバー・宇宙での実戦を想定した韓米日3か国合同軍事演習が行われる。
戦争の危機が迫っていて私は怖い。駐韓米軍は出ていけ、と声を上げている。
対案文化連帯 社会文化研究者 チェ・ソンヨンさん

昨年12月、尹錫悦前大統領が発した違法な非常戒厳令を阻止するために多くの市民が国会前に駆けつけた。彼らは「平凡な市民」である。だが、闘いの中で変わっていった。
女性や性的マイノリティ、障がいのある方々がたくさん「広場」に集まった。自ら暴力を受けた経験から、自分たちとはまた違う差別を受けてきた労働者や農民たちに寄り添った。
この「広場」の経験を政治家は活かせていない。李在明(イ・ジェミョン)現大統領は選挙戦で内乱の審判についてあまり語らなかった。左派の民主労働党の候補は1%以下の得票だったが、選挙後に多額のカンパが寄せられている。これからの進歩政治をどう開いていくのか。韓国社会の課題である。
韓国女性団体連合共同代表 ヤンイ・ヒョンギョンさん

2022年大統領選挙で構造的な性差別はないとし、女性家族部廃止を公約にした尹錫悦は、女性市民団体、労働組合を弾圧。非常戒厳後、ユン弾劾を求め国会前に集った人びとの28%が20〜30代の女性だ。
江南(カンナム)駅女性殺人事件など一連の問題へ20〜30代女性は女性たちに起こる暴力と差別について積極的に声をあげた世代。今回の広場は、抵抗の空間を超えて女性たちが民主主義をまた発揮する実践の場になった。集会で差別、ヘイト発言が出ないよう平等約束文を作り、平等集会を作る努力をした。
イスラエルの戦争犯罪と闘う国際連帯を/サミール・アディルさん/UWFPP(パレスチナ人民防衛統一労働者戦線)

ZENKO大会のたびに世界で重要な出来事が起きている。最も明白な例はガザ地区で起きている出来事だ。人びとが何の躊躇(ちゅうちょ)も抑止もなく虐殺されており、人類の汚点だ。イスラエル政府は、ラファにナチス収容所に酷似した拘禁施設を作ろうとしている。ナチス戦犯を裁いたニュルンベルク裁判のように、ネタニヤフ首相らを新たな戦争犯罪裁判≠ノ引き出さなければならない。
NATO(北大西洋条約機構)への軍事費は増大する一方、健康や福祉のための支出は削減されている。トランプによる貿易戦争は労働者と貧困層の犠牲の上に成り立っている。世界は、戦争と系統的な貧困化による「2つの死」に直面している。世界中で極右が移民や難民への敵意をむき出しにして台頭している。
スペインなど7か国で、労働者がイスラエル向けの武器積載を拒否。労働組合が政府にイスラエルへのエネルギー供給の停止を要求し、イスラエル製品ボイコットが呼びかけられている。米国の大学ではストライキや抗議、座り込みが続く。
ZENKO大会はパレスチナの大義のための世界的な戦線の不可欠な一部である。命を作り出すのは労働者階級だ。国際連帯万歳!
台湾有事=日本有事を許さず 両岸関係は平和解決できる/台湾労働人権協会・台湾労働党/ツァン・ルーシンさん

台湾・韓国・日本の極右勢力は、軍事強化を常に望んでいる。台湾の民進党は安倍晋三を崇拝し、高雄(カオシュン)市には安倍の銅像と碑がある。同じ神社では旧日本軍駆逐艦を祀(まつ)り、日本軍兵の慰霊祭を行っている。韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権も戒厳令前に民進党に支持を要請し、発令後、民進党は直ちに支持。尹錫悦の海外の共犯者と言える。
先月、台湾では日米台の退役将官たちが台湾海峡防衛の“ウォーゲーム”を開催した。中国軍が台湾本島に上陸しようとするシミュレーションの中で日本は部隊派遣をせず、台湾側から不満が出た。日本が台中関係で介入する名分は基本的にはないということだ。
7月には都市部を戦場とする10日間の軍事訓練が実施された。米国が台湾に準備させている戦争は、まさに台湾の民を「人間の盾」へと追いやるものだ。
「台湾有事はすなわち日本有事」という言葉を分離主義勢力は好むが、断じて同意できない。両岸関係も、東アジア全体の関係も、平和的に解決できる問題である。米国は、私たちを自国の不沈空母としようとしているが、むしろ米国が起こす荒波の中で小さな船に乗りあわせているのが私たちだ。交流と理解を通じてこの難関を切り抜けていかねばならない。
フィリピン マパラドカ(戦争と貧困に反対する親と子の運動) ポール・ガランさん

民衆の貧困、失業率が高まり、低所得者や貧困家庭が食も賄(まかな)えない中、マルコス政権は2025軍事予算を拡大(約6197億円、6・5%増)。労働者の賃金は1日120円にすぎず、教育、医療、まともな住居を支えることはできない。
毎年、米比バリカタン合同軍事演習が実施される。読売新聞は「ルソン島への米軍タイフォンミサイル配備、日本の中古駆逐艦輸出。中国の海洋進出への抑止力強化が目的」と報道したが、フィリピン、アジアの大きな脅威だ。米軍基地、外国軍駐留に反対しよう。国際民衆連帯運動の勝利を。
ビルマ/岐阜女子大学南アジア研究センター客員研究員 ティン・ウィンさん

2021年2月クーデター以来、軍政は戦争を継続している。村落爆撃で350万人以上が避難民だ。
日本政府は、犯罪集団の助力となるODAをなぜ継続するのか。残虐な統治への沈黙は、中立でなく共犯になる。ビルマ軍政が強行する死の抑圧に抵抗することは尊厳のための闘いだ。
日本政府に要求しよう。(1)「軍事政権へのすべての援助停止(2)民主派勢力と対話し、新たなビルマ建設(3)アウンサンスーチー氏、全不当拘束者の即時釈放。命、真実、尊厳、人びとの抵抗のために立ち上がろう。 |
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