2025年08月15日 1883号

【ZENKO SDCC分科会/「辺野古が唯一」は破綻した/Hope Spotにジュゴン保護区を】

 SDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)は、ZENKOin相模原第11分科会「新基地建設は破綻しています。大浦湾埋め立てを中止させ、ジュゴンをまもろう」を開催しました。参院選では自公が過半数を割り、沖縄ではオール沖縄推薦の高良沙哉(たからさちか)さんが当選しました。しかし排外主義をあおり、「核武装」すら主張する参政党が「躍進」するなど情勢は複雑です。

 分科会冒頭で、共同代表の海勢頭(うみせど)豊さんは「綿々と続く沖縄の平和の運動は女性たちが担ってきた。穏やかに生きるジュゴンを『竜宮神』と信仰し、『ジュゴンの絶対平和』を伝え続けてきた。それが軍事信仰の天皇制、明治以降の軍国主義のじゃまだったから、琉球は差別され、処分されてきた」と指摘。自公政権の行き詰まりと安倍晋三につながる参政党の進出という情勢にあって、SDCCは巻き込まれることなく、憲法9条=「ジュゴンの絶対平和」を広げる活動を強めようと訴えました。

 「かつて多摩川にアザラシが紛れ込み『タマチャン』と大きく報道されたことがあった。同じころ熊本の天草でジュゴンが発見されたが、ほとんど報じられなかった。熊本は古代より琉球とつながりがあるところ。軍事信仰の政府は、一貫して平和の神ジュゴンを信仰する琉球との関係を断ち切ろうとしてきた。世界ではイスラエルのパレスチナジェノサイド、アメリカのイラン爆撃など、『抑止論』にもとづく戦争政策が行き詰まっている。ジュゴンと平和を守る活動が一層重要だ」とまとめました。

行き詰まる地盤改良工事

 基調は▽軟弱地盤改良工事が行き詰まり、政府は技術的展望を示しえないこと▽改良工事の実現性に関して日米間に見解の相違があること▽うるま市・宮城島からの土砂搬出と運搬船の航行、海砂の大量採取によってジュゴンの生息環境がおびやかされていることを確認。11月政府交渉に向け「Hope Spot(注)にジュゴン保護区を」キャンペーンを進めようと訴えました。

 国際担当から、モイラン米国下院軍事委員会委員による米会検査院への軟弱地盤改良の実現性と経済性を問う質問書の内容について説明がありました。この質問書が米国内の多くの地方議員や労働組合などの賛同を得て、連邦議会軍事委員会に提出した要請によって実現したこと。日米の市民社会から、米国の政策決定に影響力のある、機関、議員への働きかけの継続が重要だと指摘しました。

 議論では、次回11月政府交渉にむけ、日米首脳会談声明で「辺野古が唯一」の文言が消えた意味を問う重要性が強調されました。 (SDCC・松島洋介)

(注)希望の海 米海洋NGOミッション・ブルーが世界的に重要と認めた海域

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