2025年09月05日 1885号

【議会を変える/東京都足立区議 土屋のりこ/夏の遊び場IN区役所】

 子どもたちの屋内遊び場が欲しいという声は、以前から議会でも指摘されていた。私は、民間のものがすでに色々あるでしょ、と思って聞いていたのだが、いざ当事者になると、夏場に幼児を安心して遊ばせられる場所が「ない」ことに愕然(がくぜん)とした。7月から9月中旬くらいまでは熱中症警戒アラートが頻出し、午前中に熱中症の危険が非常に高い暑さ指数35を超えてしまう。幼稚園でも水遊びや外遊びが中止になり、滑り台表面はなんと50℃を超え、公園遊びもできなくなる。

 小学生になれば遊べる場所も増え選択肢が広がるが、おむつがとれていない幼児だとじゃぶじゃぶ池にも入れず、区民プールにも入れない。経済的にゆとりがなければ有料の民間屋内遊び場に何回も連れていくことは厳しい。遊びたい盛りの幼児を夏のワンシーズン、どう遊ばせればいいのか―考えて、閃(ひらめ)いたのが「庁舎ホールでボールプールをやったらいい」。

 昨年、決算委員会で提言し、「検討する」と検討された結果、今年度のモデル実施と相成った。2日間の実施で、我が家は2日とも遊びに行った。3歳以下とそれ以上に年齢分けしたボールプール、バランスブロック、折り紙遊びや工作、図書館の協力もありティピー(ワンポールテント)の中でのお話会や、大型本がたくさん置かれた親子読み語りスペースなど、2歳児にとってはどれも魅力的で、3時間くらいあちこち移動しては楽しんで遊んでくれていた。子どもは家に帰ってからも「あしたもいきたい」「まいにちいきたい」と言い、2日間限定企画だと理解してもらうのに苦労したが、それほどに気に入ってくれて、政策提言したかいがあったというもの。

 今年成功した「夏の遊び場」は、来年はもっと日数を増やすとか、開催場所を増やすとか、より多くの親子に届く事業としてパワーアップするよう求めていきたい。

 時代も環境も変化目まぐるしいからこそ、当事者目線かつ民主主義的社会主義の視点から子どもたちに必要なことは何か、と政策を打ち出し実現させていくことで、住民の声でつくる住民自治を前に進めていきたいと思う。

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