2025年09月12日 1886号
【ドクター/なぜか輸入されない副作用の少ないワクチン】
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「百日咳(ぜき)の流行!」とのマスコミ報道が見受けられます。特に生後3か月までなどの小さい子は、急に息が止まって死亡したり脳症になる危険性が高く、入院が必要です。心臓などの病気のある方も重症化することが多々あります。重症に至らずとも、長く続く不眠を伴う強い咳や連続して息つぎが困難なほどの症状が長期間続くことがあります。
しかし、初期の症状は鼻水や軽い咳で、「風邪かな?」と思っている間に周囲に感染させますから、患者の隔離もあまり効果がなく、効果的な予防はワクチンしかないのが現状です。
戦後まもなく、第一世代のワクチンが導入され、百日咳は激減しました。その後、副作用のためワクチンを中止すると一時急増しましたが、副作用が少ないワクチンが開発されその接種が始まると発病や死亡は再び激減。現在まで乳幼児への接種が続いています。
少し前から接種済の小学生や大人の間でも流行が生じ、最も危ない新生児などを守るために、妊婦・医療スタッフや、感染者が多い小学生に「再」接種が呼びかけられています。
実は、この再接種用のワクチンが問題です。世界的には、乳幼児用では大人や小学生に副作用が強く出るので、大人でも副作用が少ないものが開発されています。日本だけが、これまでの乳幼児用を流用しているのです。今のところ、大規模な副作用は報告されていないようですが、発熱が多いなど副作用の増加を示唆するデータがあります。世界で開発されている副作用が少ないワクチンを導入しないのが不思議です。
効果不明で副作用が大のコロナワクチンをどんどん輸入しながら、効果と安全性が証明されている年長児・大人用のワクチンを輸入しないのは、日本企業を守るためでしょうか。
同様のことはおたふくかぜワクチンについても言えます。世界的には大変副作用の少ないものが使用されているのに、何十年も輸入しようとしません。学会で私が専門家にその理由を聞くと、わからないとの返答でした。日本のワクチン企業の利益を、市民の健康よりも優先させるという非民主的な政策が続けられているように思えます。
企業利益より市民の健康を優先する民主的なワクチン政策は、市民の人権を尊ぶ政治でなければ実現できません。
(筆者は小児科医) |
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