2025年09月12日 1886号
【ジェンダー平等は「国家転覆」の陰謀!?/弾圧大好き参政・神谷】
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参政党の神谷宗幣代表が8月1日に提出した質問主意書(国会法第74条の規定に基づき、国会議員が内閣に対し質問する際の文書)が物議を醸している。
その表題は「共産主義及び文化的マルクス主義の浸透と国家制度への影響に関する質問主意書」。この中で神谷は、共産主義の「思想的共鳴者」が政府中枢に入り込み、「教育、福祉、男女共同参画、外国人政策などの分野で、保守的な国家観や公共的価値観を否定するような制度設計を進めているとの見方もある」と主張。「共産主義思想やその文化的変種(文化的マルクス主義)」による「国家秩序の内側からの転覆」に対して、政府の認識や対応策などを質した。
共産主義の共鳴者が本当に政府中枢に入り込んでいるなら、日本共産党が国政選挙で連戦連勝しているはずだ。神谷の主張は妄想というほかないが、こうした連中がスパイ防止法の制定を声高に唱えていることはきわめて危険である。
なぜなら、参政党の論理では「ジェンダー平等、ダイバーシティ推進、多文化共生、外国人参政権」といった政策も「共産主義的政策」であり、国家秩序を守る観点から排除しなければならないことになるからだ。実際、神谷は公務員の思想調査や排除(解雇)に「スパイ防止法」を活用することを参院選中の街頭演説で訴えていた。
さて、この質問主意書に関する政府の答弁は「具体的に意味するところが明らかではない」ため「お答えすることは困難」というもの。要するに無視されたわけだが、参政党の支持者は「だから石破政権は左翼なんだ」と騒いでいる。認知の歪みというほかない。
だが、どんなに荒唐無稽でもネット空間では勢いがあり、極右勢力の養分となっている。 (O) |
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