2025年09月12日 1886号
【住まいの権利裁判第15回弁論 国際人権法違反をただす】
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住まいの権利裁判第15回口頭弁論が9月1日東京地裁で開かれ、約60人が参加した。この日は原告Bさんの意見陳述が行われた。
「震災当時、伊達市の実家から福島市の職場に通っていた。家族から『まだ若くて、これから妊娠の可能性もある』と言われ、避難を決意。少しでも被ばく量を少なくしたいというのが最大の理由だった。東京では定職につけず、ようやく事務員として働けるようになったが、福島県の住宅説明会では、職場から遠い物件ばかり紹介され、都営住宅応募の資格もないため、失業を前提に引っ越しを押し付けられるようなものだった。無償提供終了後、家賃を払って住んでいるのに、早く出ろと言わんばかりに何人もの職員から仕事中にも攻め立てられ、大変なストレスを感じた。転職し、ここまで来られたのは、住まいを奪われずにいたから。原発事故の被害者なのに、県に損害を与えていると攻撃されるのはおかしい。事故で一度壊された私たちの生活をこれ以上壊さないで」と訴えた。拍手がわき起こり裁判長も制止しなかった。
柳原敏夫弁護士は「県の住宅提供打ち切り判断は避難者の生活実態調査もせず、代替措置も提起しないで決めた。裁量権を超えた国際人権法違反」と厳しく指摘。
報告会で瀬戸大作事務局長は「住宅裁判は、国際人権法を日本の司法に正面から問いかける重要な役割がある」と支援を呼びかけた。
弁護団は知事や国際人権法学者、原告らを証人として申請した。次回弁論は11月12日。
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