2025年09月19日 1887号

【青空のびのびキャンプ/頑張った子どもたち/安心して交流できる場】

 今年の「青空のびのびプロジェクトキャンプ」は8月9〜10日、京都府宇治市にある野外活動センター アクトパル宇治で開催した。

 雨予報は気がかりだったが、猛暑の谷間で涼しくなり熱中症の心配なく過ごせた。顔合わせのあと川遊び。川は水量が少なく水温も高かったが、小さな魚やカニを見つけて楽しむことができた。途中休憩は恒例のスイカ割り大会。美味しく食べたあとはアスレチックへ。幼児も大きい子のサポートで安全に楽しめた。

 夕方はキャンプの大きな楽しみの一つ、夕食づくり。まきを組み、煙と闘いながら火の番をがんばる。子どもたちが中心になって作るメニューは「肉じゃが」「チヂミ」「白玉団子」。お団子は幼児さんの定番メニュー。肉じゃがは材料の下ごしらえ、チヂミは焼くのがたいへんだが、子どもたちがすすんで仕事を引き受け、大奮闘。どの料理もおいしくできあがった。今年もサポーターのみなさんの手作り料理が並び、キャンプとは思えない立派な夕食になった。

 夕食後はキャンプファイヤー。始めようかというころにポツリポツリと雨が降り出し、歌やゲームなど予定通りにはできず早めに切り上げることに。残念な気持ちで宿舎にもどると、キャンプファイヤーのためにギター伴奏を練習してきた子の気持ちを思って、みんなが集まり、歌を歌った。外は雨だが心の晴れる楽しいひとときになった。

 朝食はホットドッグをつくって食べ、片づけも終えた。まとめの会で感想交流しキャンプをしめくくった。

避難者家族は2組だが

 このキャンプは東日本大震災・福島原発事故の翌2012年にスタートした。もともと子ども全国交歓会が夏に開催していたキャンプを、原発事故から避難した子どもたちが安心して自然の中で過ごせる保養キャンプとして「青空のびのびプロジェクト」と名付け、続けてきた。14年目を迎え、幼かった子どもたちも中高生になり保養キャンプとしての意味は薄れてきている。参加の避難者家族も減り、今年は2組だった。

 昨年、避難者Aさんが語った「避難者であることを隠したり、うそをつかなくていいから気持ちが楽」という言葉が心に残っている。安心して交流できる場として、ともに楽しむ取り組みとして、これからも続けていきたい。

(子ども全交関西事務局・西岡裕子)





 
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