2025年09月26日 1888号
【みるよむ(745)/2025年8月23日配信/イラクで無差別に発砲される「祝砲」】
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イラクでは一部の政治家や権力者のために、「祝砲」を名目にして街中で無差別に発砲するという事件が頻発している。この無法行為によって市民に被害が広がっている。6月、サナテレビが取り上げた。
イラクでは、権力者や金持ちが、祝いの場で上空に向けて「祝砲」の銃弾を発射するという行為が頻繁に行われている。最近もハッジュ(イスラム教徒のメッカ巡礼)から帰国した政治家と政府高官のために無差別な発砲が行われた。
番組はそのような現場を映し出す。街頭で、多くの人の前で、何人もの「正装」した無法者がライフル銃を上空に向けて何発も乱射する。拳銃をうれしそうに発砲する者もいる。
こんな危険な行為はどこの国でも禁止されているはずだ。イラクでも、米軍占領下の2005年に「武装勢力」などを対象として制定された「反テロ法」(最高刑死刑)が適用されることになる。
サナテレビのレポーターは「特に住宅地や人口密集地での無差別発砲は、重大な行為と見なされ、意図的であった場合、被害が発生した場合には、厳しい刑罰の対象だ」と指摘している。
特権による野放し
しかし、「政府関係者や政府関係の車列に関係している場合…明らかに寛容に扱われる。見て見ぬふりをしている」と言う。処罰もまともにされない野放しの状態なのだ。
さらに、上空に発砲された銃弾は必ず地上に落下する。人口の多い都市部で銃弾を上空に発射すれば、住民に当たる可能性は当然高まる。実際に「女性や子どもを含む無実の市民が命を落とす」という事件が多数起こっている。
サナテレビは、このような市民の命を危険にさらす無法行為の実態を伝え、止めさせる闘いの中で社会の民主化を勝ち取ろうと呼びかけている。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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