2025年09月26日 1888号

【STOPジェノサイド パレスチナの子どもの写真展/東京・足立区】

 パレスチナ映画の上映会や写真展を開催してきた「あだち上映実行員会」の主催で9月10〜16日、パレスチナ難民キャンプの子どもたちの絵画展が東京・足立区で開かれた。

 元小学校図工教諭の中村安子さんが難民キャンプで、子どもたちを指導し描かれた絵画を展示している。中村さんは1988年から、パレスチナ難民の里親活動で3人の子どもたちを支援。美術家・上條陽子さんの現地で絵を指導する活動に参加し、2002年から毎年、7回にわたってレバノンの難民キャンプを訪問した。

 赤色や黄色など明るい色で描いた花の絵や家族の絵が多い。「『戦争しか知らないので、そんな絵を描くだろうから、夢のある絵を描かせてほしい』と頼まれた」と語る中村さんは「赤と白を混ぜるとピンクなることを知らない子どもたちは、いろいろな色を混ぜわせて大喜び」と当時の様子を振り返った。

 11日は、元NHKプロデューサーで武蔵大学名誉教授の永田浩三さんの「ギャラリートーク」が行われた。

 がれきが積み上がるガザ、やせ細った幼児や白い布に包まれた子どもの遺体を抱きしめる女性などのパレスチナの惨状をスライドで示しながら、パレスチナ問題を歴史も交えて解説。「すさまじい戦争・虐殺・人道に対する罪。先延ばしされたパレスチナ問題を国際社会は座して見ているだけでいいのか」と問いかける。

 永田さんは、パレスチナを支援する日本の市民活動を高く評価するが、「問題は、日本の政治家たちのふがいなさだ。何を欧米に遠慮するのか」と提起する。

 実行委員会の土屋のりこ足立区議は「世界の市民同士がつながって、戦争をなくしていく取り組みが重要」と国際連帯を強調した。絵画展には、最終日16日まで市民約200人が訪れた。

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